シーバス編 デイ狙い

当船が行うシーバスの狙い方は表層狙いがメインとなり、ストラクチャーやオープンエリアを狙います。
逆に、ジグを使う釣り方は殆ど行いません。
尚、日頃から行っている狙い方についての文章は、【当船の狙い方】の項目に記載してあります。


このページでは、『使用するルアー』についての説明と、私が見える魚との格闘で判明した『リトリーブスピードによるバイト率の違い』、『シーバスは小魚の捕食がヘタクソ』、『オープンエリアとストラクチャーに生息する魚には違いがある』について記載してあります。
 

使用するルアーについて
当船は表層狙いオンリーとなりますので、ミノー系・バイブレーション系・ワーム系・ビックベイト系を使用します。
尚、トップ系はバイト率が非常に悪いのでお勧めできません。(詳細は下の項目に記載してあります)

世の中には数多くのルアーが出回っていますが、デイの場合は魚が『反応するルアー』と『見向きもしないルアー』とがあり、この『見向きもしないルアー』をキャストすると魚が警戒し、ヤル気が失われる危険性を秘めています。

ただ、各メーカーが販売するルアーは、作者がイメージするリトリーブスピードや、トゥイッチなどのアクションを入れる事により効果を発揮する商品がありますので、その釣れるパターンから逸脱した使い方をすると『釣れないルアー』とのレッテルを張る事となりますのでご注意を!

なので、『釣れないルアー』と決めつける前にリトリーブスピードに注意し、アクションを加え、水面でルアーの泳ぎを確認してから使用するようにしましょう。
近年では動画サイトで泳ぎを確認できる商品があるので、参考にされるのが良いと思います。

ミノー系
新規のお客さまが乗船された時に毎回思う事ですが、タックルボックスの中を覗くと、『一番バイト率の高い商品』を1~3個しか持っていない事に驚かされます。

表現を変えると、『シーバスが一番良くヒットするルアー』を、30~50個中、1~3個しか持っていないのです。
下記に私の経験でわかった、『シーバスが一番良くヒットルアー』について記載しました。

バイト率の高い商品
その商品は、ある特定の動きのに絞られ、小刻みにヘッドやテールを振る、ウォブンロールアクションのルアーです。
□ラパラ:CD-9など、CDシリーズ
□メガバス:X80シリーズ
□マリア:タイトスラローム
□ラッキークラフト:ビーフリーズ

釣れるルアー・その2(ローリングアクション)
□タックルハウス:ローリングベイト

上記以外にも同様の動きをする商品があるとは思いますが、『釣れるルアーである』との強い印象は残りませんでした。

実際、普段オカッパリで釣りをされている方は飛距離重視ですので、ミノーの場合、12㎝以上のサイズを使う事が多いです。
その為、タックルボックスの中は、『釣れる』と評判の12㎝以上のデカいルアーばかり。
小さめの8㎝前後のサイズは、シンキングペンシル系が何種類も入っているので、近年流行ったのかも?

オカッパリからの釣りで飛距離の問題を少し改善し、釣れるルアーをキャストしたいなら、メガバスから釣れる泳ぎをするミノーが販売されており、飛距離が出て重量も重い商品があるので、オカッパリから使用したら釣果が良くなるかもですよ!

■テスト済みの釣れる商品
X-80SW 80.5mm 11g
X-80SW LBO 82mm 12g
X-80 MAGNUM 115mm 18g

■まだ購入したことが無いので”釣れる”とは言えませんが、サイトのコメントを見ると釣れそう!(そのコメントに世間のルアーマンは騙され、色々な商品を購入する(^_-)-☆
X-80Jr. SW 65mm 6g
X-80BEAT SW 80.5 mm 11.5 g
X-80SW LBO Shallow 82mm 12g
VISION ONETEN Jr. SW 98mm 10.5g

参考:ウォブリング/ローリング/ウォブンロールって何?(検索で調べてください)
参考サイト:【TSURI HACK】日本最大級の釣りマガジン内アクションについて
→ https://tsurihack.com/3789

バイブレーション系
近年発売されている鉄板バイブが良い成果を出しており、良く釣れるように感じています。
販売されている種類は多く、価格も安く、ついでにバラシも少ないので使える商品が多いです。
サイズは、75mm前後 / 85mm前後が良く、釣り人により好きなサイズが異なります。
 

問題は、どのような条件で『バイブを使用すると効果があるか』ですが、正直申し上げて良くわかりません。
ミノーへの反応が悪い時や、反応がない時に交換するとバイトがあったりしますので、釣り人が自己判断でバイブやワームへ変え、当日の反応を確認するしかありません。

当船に乗船する場合、安物で良いので2~5個はお持ち頂いた方が良いと思います。
ヒット率の高いカラーについては何とも言えませんので好みのカラーで大丈夫です。


参考:昔話、25年以上前の体験談
昔のバイブはブラックバス用をソルトで使用していた関係からか、バイトしてもバラシが多い商品が目立ちました。
また、ラトル入りの商品が多く、リトリーブ中のシャラシャラ音が嫌いでしたので、ラトル無しタイプを使っていましたが、シーバス狙いで特別バイブを使いたいと思う条件はありませんでした。

そんな私ですが、当時バイブを真剣に使い始める切っ掛けとなったのが、マリアの初代『マールアミーゴ』を手に入れてからです。

泳ぎ方はバス用のバイブと違いはありませんでしたが、絶妙な重さの関係から、着水後スーっと泳ぎながら沈み、バイトの際に発生する乗りそこないのコンは、1,2回で終わってしまう発生頻度がミノーと変わりなく、ヒットした後のバラシ率がバス用のバイブに比べ格段に少なくなった事が気に入った理由です。
とは言え、色々な条件でミノーと競争した場合、バイト率は到底ミノーにはかないませんでした!

ワーム系
詳細については、【ナイト狙い】の項目に記載してあります。

参考:近年のワームによるシーバス狙いに興味を持った瞬間!
何年か前、お客様のモモちゃんとコウちゃんがお越しになった際、コウちゃんがコアマンのVJで、良い感じでバイト&ヒットした事がワームの実力を見直したきっかけです。

狙っていたのは秋のオープンエリアで、魚が溜まりやすいポイントを攻めている際、ミノーに良い感じでバイトが続きました。
何匹もキャッチしていると、当然の如く、魚は警戒しバイト数が減る傾向にありました。

その時、コウちゃんがVJをキャストすると2投に1回の割合でバイトがありビックリ!
私は釣り関係の雑誌やサイトを見ない日々が続いていましたので、シーバス狙いで人気のある、ワームの商品が販売されている事を知りませんでした。

で、私も購入しようとヤフオクで中古や新品を調べたら、こんな単純な作りの商品なのに人気があるせいで高い。
ワーム部分がどの程度の耐久性があるかわからなかったので、安く出品されていた別商品で同じような形状のデュオ(Duo) ビーチウォーカー ハウルを購入して試してみましたが、「ムムム、釣れない!」って感じでしたので、高価なコアマンのVJを購入する気が失せ何年かが経過しました。

その後、お客様の大先生とオンちゃんがナイトでVJを使用し良い感じでバイト&ヒットを繰り返し、お客様のマクー空間さんとメグリさんがデイでVJを使い良い釣りをして、最近では私も使い始めました。

ビックベイト系
近年人気のあるビックベイト、デイでもナイトでも実績があります。
12㎝以上の大きなルアーが嫌いな私ですが、お客様の使用する姿を見て、状況によっては効果がある事がわかっていますが、ヤル気のある魚を警戒させる難問が残っているので、『使いどころ』を模索している最中です。

ご存じとは思いますが、ビックベイトは水面下に潜りヨロヨロと泳ぐ系と、表層に波紋を出し泳ぐ系があります。
どちらのタイプがバイト率が高いかについては、現在経験を重ねている最中ですのでお答えできません。

また、各メーカーから数多くの商品が販売されており、乗船されるお客さまも色々のタイプを購入し、釣れる商品か・釣れない商品かを確認しています。
そして、ビックベイトの難点である、バイトしてもフッキングしない問題を改善するため、フックの形状や大きさを変えるなど、研究されている方もいます。

その他のビックベイトに関するコメントは、下記の項目のトップ系でも記載しています。
以上でコメントは終わりとなりますが、ビックベイトの真実を把握するには、後5年以上の歳月が必要となりそうです。(2025.0510文章記載)

トップ系
一般的な”12㎝以下のトップ系”は不思議とバイト率が非常に悪く、オープンエリアで魚のハネやボイルが出ているような条件でないとバイトしない事が殆どです。
また、バイトの際の乗りそこないも多く、魚を警戒させるだけなのでお勧めしていません。

常識的に考えると、シーバスの様な小魚を追い掛けて捕食する魚にはトップ系が最適に思えますが、実際には逆効果となり、不思議なくらいバイトしないルアーの部類に入ります。

しかし、近年流行の15㎝以上のサイズであるビックベイトでは、トップ系と同じように水面に波紋を出し泳いでいるのにも関わらず、「ガボ!」っとシーバスが反応します。

その要因は良くわかりませんが、ルアー自体の大きさの問題なのか、その商品に合ったアクションの関係なのか、波紋の出方の問題なのか、謎は多々あります。
当船の場合、数釣りがメインの釣り船なので、魚を警戒させる可能性のあるルアーは状況に合わせて使い分けています。


ちなみに、シーバスが良い感じでバイト&ヒットしていると、お客さまは、ご自身がお持ちのルアーが『釣れる商品か? 釣れない商品か?』について実験したくなる方が多いです。
その中でも「トップ系をキャストしてバイトさせたい!」との欲望をお持ちの方が多い事に驚かされます。

実際のところ、我々人間は、『他人の話ではなく自身の経験で得た知識ではないと信用できない』のが一般的な思考パターンだと思います。

当船ではお客様に楽しんでもらえる事を第一に考えていますので、「トップはダメです!」と強制せず、「どうぞ、お使い頂き魚の反応を確認してください」申し上げるスタイルです。

で、お客さまは、「ガボ!っと水面に出る姿を見たい」とおっしゃりトップ系をキャストしますが、20~30回キャストして1回バイトがあればラッキーなのが現状ですで、皆さん「やっぱダメか!」とため息をはき、釣れるルアーに変えるとスグにバイト&ヒットする事となります。アハハ・・・
この「やっぱダメか!」の言葉は、釣れない系ミノーをキャストした時も同じです。

しかし、しかしですよ、この釣れる条件で15㎝以上のサイズのビックベイトをキャストすると、当日の活性により下記のようなバイト率になります。

平均3回キャストし、その内の1キャストに反応が出て、1~3回連続バイトするがフッキングしない又は、フッキングする。←活性が良い場合はこのパターンが多い
平均3回キャストし、1回バイトして終わり。←意外と多い
平均6回キャストし、1回バイトして終わり。←意外と多い
ビックベイトの種類を変えながら平均8回キャストし、1回バイトして終わり。←意外と多い
ビックベイトの種類を変えながら10~15回キャストし、1回バイトして終わり。←意外と多い
ビックベイトの種類を変えながら15~20回キャストし、ノーバイトで諦める。←ヤル気のある魚が居ないポイントでは、通常はこのパターンです♪→船頭の性格から、アタリの無い暇な釣りは嫌いなのでポイント移動

水中系と表層系の違い
表層系のビックベイトから水中系に変更したら、全く反応がなかった状況から、上記の様なバイトパターンとなる場合があります。その逆の水中系から表層系に変更すると良い事もあります。

結論
以上の様な結果となりますので、当日どの程度の確率でバイトするかについては、実際にキャストしてみないとわかりません。
また、「ガボっ!」と1回のバイトで終わるパターンが多いので、キャッチ率が悪いルアーでもあります。

ただ、ただ、ただですよ、確かにデカいサイズがヒットします!(^^)b
当日の条件にもよりますが、8㎝前後のミノー・バイブ・ワームでヒットするサイズが57㎝前後だった場合、ビックベイトだとヒットするサイズが65㎝前後になる事が良くあり、夢の70㎝アップもヒットします。

 
サイズアップの現象は嬉しい事ですが、例えばビックベイトにバイトがあり乗りそこなった場合、本来なら活性が上がっているはずの魚が、次に同じコースにキャストしたビックベイトや8㎝前後のミノーに反応しない事が気になります。(上図参照)

 
この最初にキャストしたルアーがビックベイトではなく8㎝前後のミノーだった場合は、次にキャストすると再びバイトする可能性があります。(上図参照)

この現象から推測すると、キャストしたビックベイトに興味を示した魚はバイトしますが、一度バイトした魚は警戒心抱き、その後はルアーに警戒するようになります。
この警戒させてしまう問題が気がかりで、使いどころに悩むルアーでもあります。
ルアーの世界は不思議が一杯ですね!

以上がルアーの種類についての文章ですが、狙うポイントに魚のハネやボイル出ている場合は、どの様なルアーをキャストするかで、『バイト率の多いお客さまと、少ないお客さま』とに分かれます。

表現を変えると、ご自身がお持ちのルアーが『釣れるルアーなのか? 釣れないルアーなのか?』については、魚が良い感じでバイトしている状態でお使いになれば、その商品の実力がわかります。

但し、注意しなければならない事は、リトリーブスピードでバイト率が変わる事です。
次の項目では私が体験した、その内容について説明しています。



リトリーブスピードの不思議
私しの考えでは、ルアーフィッシングに於けるデイゲームで、数多くのシーバスを釣るために必要な事は、バイト率の高いルアーを使う事と、使用するルアーに興味を持たせ、美味しい小魚の様に見せるリトリーブスピードだと思います。
そして、更にバイト率をアップするには、アクションへの拘りと、ルアーカラーへの拘りを持つことだと思います。

リトリーブスピード
シーバス狙いではリールを巻くスピードが重要で、ルアーが泳ぐスピードによっては、シーバスに警戒心を与えてしまったり、逆にシーバスの捕食行動を促しルアーにバイトさせやすくする事も可能となります。

デイゲームでオープンエリアなどでヤル気がある魚を攻めている時は、超早引きをしない限りバイトがありますが、ストラクチャー狙いの時は、スピードの違いでバイト数に変化が出ます。
ナイトゲームの時は、デイほどシビアなスピードは要求されませんので、多少早くとも遅くともバイトがあります。

もちろん、魚の活性具合で違いは出ますが、基本パターンはハッキリしています。
このスピードを文章で表現する事は難しいのですが下記にまとめてみました。
実際、シーバスの好きなスピードをお知りになりたい方は当船へお越しください。(宣伝 (^^♪)

デイゲームのスピード
使用するルアーによって変わりますが、簡単に表現すると、早くもなく遅くもないスピードです。
表現を変えると、普通のスピードが良く、少し早めのスピードが良い場合もあります。

ただ、この普通のスピードを文章で表現するのは難しいく、実際に見てもらうしかありません。
また、使用するルアーの種類によっても変わりますので、今の時代であればメーカーが作成した動画を見て真似するのが良いと思います。


このリールを巻くスピードの問題は釣り人により異なります。
誰しも普段からシーバスを狙っているスピードがあり、ルアーの種類と条件に合わせたスピードではなく、普段からのワンパターン化したスピードで釣りをされます。

船頭としてはお客様の行動を見て、気になる場合は『早いか遅いか』をアドバイスし、バイト数に影響が出ないようにしています。

ちなみに、ストラクチャー狙いではシビアな世界がありますが、オープンエリアに生息する魚は意外とヤル気のある魚が多いので、それほど気にしなくても良いかもしれません。
この違いについては、下の項目で記載してあります。
参考:ナイトゲームのスピード
ナイトでのリトリーブスピードはデイほどシビアな事はなく、基本的に『早くとも遅くとも』ルアーにバイトします。

そのスピードは当日の魚の活性具合で変化し、デイと同じ『普通~少し早め』が良い場合もあれば、『スロー~普通』が良い場合もあります。
結論としては、当日のバイトが多いパターンを探し、リトリーブスピードを変えたり、ルアーを変えたりして、ベストなパターンを探すことが重要となります。

動画で見たお勧めのスピードを真似する方法
使用するルアーに合ったスピードを再現するには、動画で登場する釣り人のリールを巻くスピードを真似するだけでは完璧に再現できません。
その理由は、使用するリールによって巻取り量が異なるからです。

また、ルアーが泳ぐ姿だけを映している動画では、どのぐらいのスピードでリールを巻いているのか判断できません。

ご存じの通りリールの種類は多く、メーカーによりサイズの違いや、通常のギア比やハイギア比などで巻き取り量が異なるからです。


真似する事は簡単
実際にお勧めのスピードを真似する事は簡単です。
その方法は、釣り場でロッドからラインを出し、ご自身の目の前でルアーを左右に引っ張り、動画で見た映像のスピードに合わせれば良いだけです。

この時に重要な事は、ルアーを泳がせている時に感じる、『ルアーが水を受ける抵抗(重さ)』をロッド持つ手に覚えさせることです。

ただ一つ難しい事は、ルアーの種類によって『水を受ける抵抗(重さ)』が異なる事です。
最も覚えやすい商品は、水を受ける抵抗(重さ)が感じやすく、ルアーが頭を振り”ブルブル”と動く振動がラインを通して伝わりやすい商品です。

逆に水を受ける抵抗(重さ)が感じづらい商品は数多く存在します。
また、トゥイッチやジャークなどのアクションを加え、生きている魚の様に泳がす事を目的とし設計された商品も感じづらいです。

水を受ける抵抗が感じづらい商品のテストは、水が澄んでいる条件でルアーの泳ぎが確認できる距離にチョイ投げし、「お勧めのスピードに合っているか? アクションを入れるとどうなるのか?」を確認しながら、ロッドを持つ手に感じる水を受ける抵抗と、リールを巻くスピードの感覚を覚えましょう。

ルアーによる釣りは奥が深い
上記の文章を読まれると、ルアーの釣りはリトリーブスピードが少し合わないだけでバイト率に影響を与える、大変難しい釣り方に感じると思います。

実際、私が見える魚とのバトルで、魚の行動を見ながら実験した結果を踏まえて申し上げると、デイではかなりシビアな世界があります。
そして、このリトリーブスピードや使用するルアーの種類の問題で、数多くの魚を釣り損ねている事を皆さんに感じて欲しいです。

その昔、ラパラジャパンのテスターであった榎本さんが水中撮影した際、50匹以上の魚が付いているストラクチャーの横をルアーを通したら、ルアーに興味を持った魚の数は5匹以下で、その他の魚は完全無視状態だったそうです。

この様にルアーに反応しないシーバスを長年見続けていると、シーバスは人間の罠に気づいているのだと思います。
しかし、活性が上がっていると、危険なルアーに連続バイトしてくるのですから、その要因が何かはシーバスに聞いてみなければわかりませんね!


参考:見える魚との格闘で、リトリーブスピードの重要性を知った!
その昔、ホームグラウンドである東京港には多くの数多くのストラクチャーがあり、そのポイントに魚の群れが入ると楽しい釣りができました。

実際には数多くのシーバスが生息していましたが、シーバスにルアーを見切られ続け、悔しい思いをしました。
そして、魚がルアーを追う姿は見えるがバイトしてくれない確率が多く、どうすれば興味を示すかの実験の繰り返しでした。

テスト方法(ミノー使用)
ルアーをキャストすると5匹のシーバスが追い掛けてくる条件で、リトリーブスピードの違いによる魚の変化を確認しました。
①スローリトリーブの場合、ルアーの後ろを、5匹の魚が追い掛けてくるだけでバイトしない。
同じコースを再び狙うと、追い掛けてくる魚の数が減り、2,3匹となる。
再び同じコースを狙うと、ストラクチャーから3m前後の距離まで姿を見せるがUターンして戻る。
結論:ルアーにバイトする事もあるが、魚を警戒させるだけなのでスローリトリーブは良くない。
②普通のリトリーブスピードの場合、5匹中の1匹がバイトする確率が上がる。
バイトの際に乗りそこなうと、同じ魚が連続バイトする場合と、一緒に追い掛けてきた別魚が連続バイトする場合とがある。
結論:興味を示すスピードと断定できた。
③早めのリトリーブスピードの場合、ルアーが着水した瞬間は5匹が反応するが、その後、ストラクチャーから3m前後までルアーを追う姿見えるが、長い距離を追うことなくUターンして戻る。

この現象の時、ルアーと魚の距離は遠く、ルアーに興味はあるが、遠くから見ているだけの状態となる。
結論:速いスピードは警戒させる!

この他にも色々な実験を行いましたが、そのテスト結果を公表できないので、色々とお知りになりたい方は当船までお越しください。ペコリ(宣伝)

なぜ秘密なのですか?
皆さんが釣れるようになってしまうからです。
心の狭い船頭ですね!
申し訳ございません。本業が漁師なので秘密は沢山あるのです。

シーバスは捕食行動がヘタクソ?
私が長年観察し続けているシーバスは、小魚の捕食行動がヘタクソだと感じています。
何故なら、オープンエリアの水面でハネやボイルが出ている時、数多くの失敗シーンを確認出来たり、ストラクチャーの横で水面下2㎝の場所を泳いでいる小魚を捕食しそこなうシーンを数多く見てきたからです。
※小魚:カタクチイワシ・コノシロ・サッパ

この現象はシーバスが捕食しそこなった際、小魚が水面に跳ね上がるので確認しやすいです。
実際、この捕食を失敗するシーンを何度も見ると、シーバスが気の毒になるくらいヘタクソに感じますが、実際に何パーセントの確率で捕食できているか推測できないので、『ヘタクソに感じる』との表現となります。

で、このハネやボイルが出ている時にルアーをキャストすると、ご推測の通りルアーに良い感じでバイトして来るケースと、なかなかルアーに反応しないケースとに分かれます。

オープンエリアに生息するシーバスと、ストラクチャーに付いているシーバスとは別物?
上の項目で『小魚の捕食行動がヘタクソ』について記載した理由は、オープンエリアで小魚を追い掛け回しているシーバスと、ストラクチャーに付いているシーバスとは、別の魚種であるかの様に行動パターンが異なるからです。
まあ、私が感じた自論ですので、参考までにどうぞ!

オープンエリアで小魚を追い掛け回しているシーバスとは?
①基本的に太った魚体が多い。
②運動神経が良く、積極的に小魚を追い掛け続ける体力と能力を持った魚が多い。

③捕食を失敗する魚の割合は、ストラクチャーに付いている魚より多いように感じる。
但し、捕食に失敗しても、諦めず小魚を追い続ける根性がある。

そして、同じ魚が同じカタクチイワシを3回連続で失敗する姿を何度も確認しているが、4回連続で失敗したシーンはたまにしか見れない。その理由は船からの距離が遠ざかるから見えなくなる。


注目すべき点は、逃げるカタクチイワシを強引に捕食するのではなく、上の画像の様にカタクチイワシの有効視界の外側となる『死角』から追い掛け、捕食しやすいバイトチャンスを伺いバイトする事です。

で、パクリとくわえた瞬間、シーバスの口がカタクチイワシに触れているように見えますが、ツルンと口から飛び出して、カタクチイワシは水面をジャンプしながら逃げ続けます。

この様に連続して同じ小魚を追いかけ捕食行動を続けますが、失敗した後すぐさま強引に捕食行動に移る事は無く、必ず小魚の死角から追い続け、小魚の泳ぎにチョットした変化があった際、小魚のお腹側から水面に向かい、頭めがけて勢い良く飛び付きます。

チョットした変化とは、
・小魚が泳ぎ疲れ、尾ビレの動きが弱くなりスピードダウンした瞬間!
・小魚が泳ぎ疲れ、尾ビレの動きを止め、惰性でスーッと進み始めた瞬間!
・小魚が泳ぐ方向を左右に変えた瞬間!
・シーバスが追い掛けてくることを察知し、水面方向へ泳ぐ向きを変え、水面をジャンプして逃げようとした瞬間!

以上の様に、小魚の捕食に失敗しても諦めず追い続ける根性があります。
人間で例えると、運動神経が良いスポーツが得意な方ですね!

ストラクチャーに付いているシーバスとは?
①基本的に痩せた魚体か、極普通の魚体がメイン。
但し、太った魚の群れが入っている場合は、太った魚がメインとなります。

②運動神経が悪く、小魚を追い掛けても逃げられてしまう事が多く、自分の捕食行動の欠点(限界)を理解している魚が多い。

③基本的に根性なしで、諦めが速い奴らが目立ちます。
一度目の捕食行動に失敗すると、その後は小魚を追う行動は取らず、再びストラクチャーの陰に戻ります。

ちなみに、1回目の捕食行動から命拾いした小魚は、水面をジャンプしながら逃げ去ります。
この逃げた小魚がシーバスの半径1m以内を泳いでいる場合、続けて追い掛ける魚と、完全に諦める魚とに分かれます。
また、続けて追い掛けた魚も、3~4mの距離を追い掛けた後に諦めてしまう行動を取るので、オープンエリアに生息している魚と別の魚種に感じます。


④基本行動は、ストラクチャーの陰に隠れ、待ち伏せスタイルで捕食行動を取ります。
捕食しやすいタイミングで、ストラクチャーからサーつと出てきて小魚に襲い掛かかります。


どちらの方向から小魚が近づいてきても、捕食しやすいタイミングで小魚に襲い掛かかります。

⑤魚の活性が良い場合は、ストラクチャーから少し離れた場所で積極的にルアーにバイトしますので、この様な条件の時は、ルアーに良い感じでバイト&ヒットを繰り返します。
この時、どの位の数の魚がストラクチャーに付いているかわかりませんので、普段ストラクチャーの陰に隠れている魚も、ゴハン争奪戦で積極的な行動に出るのかもしれませんね!


リアクションバイト
ブラックバスの釣りで使用される用語ですが、「シーバスもリアクションバイトでルアーにバイトするのか?」と、釣り船の仕事を始めた当初良く聞かれたので、この機会に私の考えを記載します。

リアクションバイトとは、ルアーが魚の側を通過した際、「反射的」にバイトしてしまう行動を言います。多分?
結論から申し上げると、シーバス限定での話ですが、その答えは横方向の釣り方と縦方向への釣り方で答えが変わってきます。


ルアーを横方向のキャストした場合の行動
一般的なルアーフィッシングに於ける、ルアーを『横方向へキャスト』して引っ張るの場合、リアクションバイトによる捕食行動を取る事はないと思います。

私が見えるシーバスと格闘し、ルアーへのバイトシーンや、生きている小魚へのバイトシーンを見る限り、シーバスは狙いを定めたルアーや小魚を追い、チャンスを見計らいバイトします。
なので、自分の近くを通過するルアーに反射的にバイトする行動はなく、必ずチャンスを見定めてバイトします。


縦方向への狙い方、ジグやワームを落とした場合の行動
多くの魚は表層からフワフワと落ちてくる物に反応し、パクリとくわえ、それがゴハンか異物かの判断を口でくわえてから行う場合があります。
私の知る限り、シーバス・黒鯛・カサゴはこの傾向がありますので、この行動はリアクションバイトと言えるのかもしれません。

参考例:黒鯛釣りの外道でシーバスがヒットするパターン
黒鯛を狙う際、使用するエサに岸壁に付着している親指の爪ぐらいの大さのカラスガイを使うのですが、たまにシーバスがヒットします。

カラスガイは黒色の殻の状態のまま使用しますので、普段捕食しているゴハンと勘違いするハズはありません。
その勘違いするはずのないカラスガイをくわえてしまうのです。

想像ですが、カニやエビなどのゴハンだと思い、「とりあえず逃げられる前にくわえてみた」との感じだと思います。

このシーバスの行動は、仕掛けを落とす時と、上げる時でヒット率に違いがあります。
下にその違いを記載しました。

仕掛けを表層から落とす時に反応するシーバス
どの位の確率でシーバスがカラス貝をパクリとくわえるかは、狙っているストラクチャーに、シーバスが入っているか入っていないかで差が出ます。

シーバスが入っている時は、群れの大きさでエサをくわえる割合が変化し、群れが大きい時は、1/10~1/20の確率でくわえます。

群れの数が少ないと、1/30~1/50ぐらいの確率となりますので、カラスガイをエサと誤認する頻度は少ないと思います。
ちなみに、こんな条件の時にルアーをキャストすると良い感じでバイトを続けます。

逆にシーバスが入っていない時は、全くカラス貝に反応しませんので、200回仕掛けを落しても1回もくわえてくれません。

仕掛けを上げる時に反応するシーバス
仕掛けを上げた時、水面方向へ移動するカラスガイを追い掛けてくる現象は比較的良くあります。

ただ、普通に仕掛けを上げただけではヒットしません。
ヒットさせるには、仕掛けを上げるスピードを表層付近で遅くしたり、止めてやるとパクリとくわえます。

この現象は、シーバスが動くものに反応する事を実証する行動ですが、
①ただ単純に動いているから追い掛けるのか?
②小魚がシーバスの存在に気付き、逃げる時の行動だと勘違いして追うのか?
その答えはシーバスに聞いてみなければわかりません。

上の例は黒鯛狙いの現象ですが、シーバス狙いの時、ジグやワームで狙うと、フォール中に『止まるアタリ』が出てヒットする場合があります。

この現象は、ジグやワームがユラユラと動いているので、小魚として認識しヒットすると思いますが、もしかしたら、「小魚なのか? 人間の罠なのか?」良くわからないけど、「取り合えずくわえておくか!」との気持ちかもしれません。

シーバス以外の魚種である、真鯛・タチウオ・青物・イカもフォールで止まるアタリが出るので、この行動は、ゴハンだと確信してバイトするのか、半信半疑でバイトするのかは魚と話をしないとわかりませんね!

ただ、使用するジグの違いでフォール中のバイト率が変わる事を考えると、ゴハンが落ちてきたと確信してバイトしているのかもしれません!