堤防で釣りをしていて、皆さんから一番多く質問されるのが”アタリ”についてです。

 これから説明するアタリの詳細については、
 漁師生活における、『船からの落し込み釣り』での体験から判明した内容です。

 そして、船上で体験するアタリの出方は、堤防やテトラで体験するアタリの出方と全く同じとなります。

 堤防の場合、風や波の影響でアタリを判断しずらい状況が多々ありますが、船の場合、比較的水面が穏やかな場所で釣りをしますので、アタリを間近かに見て確認することができます。


 釣り船を営んでいる関係から、時々質問されるのです。
 「人間の気配を感じさせない沖の障害物回りでは、エサをヒッタクルようなアタリが多いのではないのか?」と・・・。

 しかし、実際は堤防やテトラと全く変りありません。
 驚くことに、アタリの出方は全く一緒だったのです。

 そのアタリ出方とは、
  □全体の約70%が『止まるアタリ』
   □全体の約20%が『入るアタリ』 (道糸が1〜2cm入いり、その後止まるアタリに変化する)
    □全体の約5%が『横へ動くアタリ』
     □全体の約5%が『引き込むアタリ』 (ラインが引っ張られている事が竿伝わる)
 だったのです。

 この件については、船から行う落し込み釣りが、黒鯛の沢山釣れる釣り方として確立するまでの期間、大変不思議に感じていたことです。

 私自身、人間の気配を感じない場所に生息する黒鯛は、「大胆な捕食行動を取るだろう」と思っていました。
 そう思わせたのは釣り番組のTV映像と発売されているビデオテープです。

 地方の落し込み釣りの映像を見ていると、ラインがスーっと入るようなアタリが衝撃的だったこと。
 磯釣り(コマセ釣り)ではウキがスーと水中に引き込まれるシーンが多いこと。

 日本海側で盛んに行われているイカダ(カセ)からの釣りでも、竿先をグーっと押さえ込むアタリが多かったので、警戒していない黒鯛は大胆な捕食行動を取ると思っていました。

 まあ、コマセで活性が上がっている黒鯛がエサをくわえたまま泳ぐことは良しとしても、堤防からの落し込みで入るアタリが多い事は、驚きと同時に、「ホントなのだろうか?」との疑問が脳裏に残っていたのです。
 その疑問を解決させたのは地方遠征が大好きな釣り仲間の話しでした。


■釣り仲間の話 
 関西方面・四国方面・広島方面・長崎方面で落し込み釣りを行なった結果、関東とは違い『入るアタリ』が多いらしい。
 もちろん、『止まるアタリ』も多いそうだが、「どのアタリがどのくらいの発生頻度かは言い表せない」との事。

 そして、地方の釣り師の方はアタリに関し面白い表現を使うそうです。
 それは、「止まるアタリが多い時は魚の活性が悪い」との事です。
 いや〜うらやましいとしか言いようがありませんね!

 で、「関東勢が地方で釣りをするとどうなるか?」、知りたくありませんか?
 毎年関西方面で開催されている大会に山下正明名人率いる黒友会と黒鯛人に面々が参加したところ、
 TOP3までに入賞するケースが異常なくらい高いそうです。

 その要因は微妙な止まるアタリを確実に取ってゆくからだとの話を聞きました。
 また、地方は立ち入り禁止の場所が少なく、釣り場は広いし釣り人も少なく黒鯛天国だそうです。
 そして黒鯛の魚影も物凄く濃いそうです。
 
 いや〜この私、大金持ちになったら地方遠征するのが夢なのです。
 その夢はかなうかな〜? まあ、絶対無理!(~o~)


 話はそれましたが、
 結論は、地方では引き込むアタリも多いが、基本通りの止まるアタリも多い。
 って事ですね!

 で、実際問題、「関東地方において、人間の気配を感じさせない場所に生息する黒鯛のアタリは、堤防やテトラで体験するアタリと全く変わらない」との事です。ハイ



■こんな体験ありませんか? 
 「堤防での底釣りで、エサが底に付いたので仕掛けを持ち上げたら、偶然にも黒鯛が掛かっていた!」

 「テトラでの落し込み釣りで、エサが底に付く手前、かなり浅い場所で沈まなくなった。 アレ? テトラの一番水面に近い部分にひっかかったのかな?」と思い、仕掛けを持ち上げたら偶然にも黒鯛が掛かっていた!

 で、「ラッキー 釣れちゃった!」との体験は多々あるのではないでしょうか?

 この時、皆さんは思うはず!
 上げたら魚が掛かっていた「ラッキー!」、でも「いつアタリがあったのだろ〜?」と・・・。

 しかし、これは表現は誤りで、実際は、”止まるアタリ”が出たから釣れたのです。
 釣り雑誌には『居食い』と表現されています。


■上のコメントでは仕掛けを上げたから魚がヒットしましたが、この時仕掛けを上げなかったらどうなるのでしょう?
□答え×3通り
 ⇒エサを潰され、吐き出されて終わり
 ⇒魚がエサをくわえたまま、その場から動かない
 ⇒泳ぎ出しライン(ミチイト)にアタリがでる (ゆっくり動く場合もあれば、サーっと動く場合もある)
 この様に関東地方における落し込み釣りでは、黒鯛のアタリは、アタリとは思えない物が多い関係で、
 『聞きアワセ』と言う技を使い、仕掛を少し持ち上げる動作を行うことでアタリなのか根ガカリなのかを判断します。



追記







 この項目では、黒鯛特有のアタリについての説明と、『聞き合わせ』の重要性について記載してあります。


ご注意:この項目【一番難しいアタリについて】は、2ページに渡って文章を記載しています。


目次
--- 1ページ (このページ) -----------------------------------------
 1.黒鯛特有のアタリについて
 2.止まるアタリ(ストップ・アタり)
 3.なぜ黒鯛のアタリは止まるアタリが多いのか?
 4.実験 [止まるアタリが出た時、聞き合わせを行わないとどうなるのか?]

--- 2ページ (別ページ) 題名:【一難しいアタリについて 2ページ】 ----------
 5.実験 止まるアタリが出た後、エサをくわえたままの黒鯛はどのような行動を取るか?
 6.入るアタリ (ラインが入った後、止まるアタリへと変化する )
 7.横に動くアタリ (落下状態のラインが横へ動く)
 8.完全向こうアワセ (ひったくるアタリ).入るアタリ




1.黒鯛特有のアタリについて
 黒鯛のアタリは大きく分類すると4通りあり、最も発生率が高いのが”止まるアタリ”です。

■アタリの種類 (大きく分類すると4通りのパターンとなる)
□止まるアタリ
 釣り雑誌などでは、『ストップアタリや居食い』との表現で説明されているアタリです。

 なんと東京湾の場合、全体の70%前後がこのアタリです。
 一般的にはこのアタリが出た後、エサを吐き出されたり、ミチイトがスーっと入るアタリに変化します。
□入るアタリ
 キュっと、1〜2cmライン(ミチイト)が入り、その後、止まるアタリへと変化します。
 このアタリがでる割合は全体の20%程度です。

 私の想像ですが、エサを海水毎吸い込んだ時のアタリだと感じています。
 またエサの種類によって、入るアタリが出やすいものと出にくいものとがあります。
□横に動くアタリ
 ラインが横に動くアタリが一番わかりにくいアタリです。
 このアタリが出る割合は全体の5%程度となります。

 エサを落すスピードと全く同じか、それよりやや早いスピードで、魚がエサをくわえたまま泳いでいる状態であったり、潮の流れにのり、黒鯛がゆっくりと流されてゆく状態です。
□完全向こうアワセ (ひったくるアタリ)
 ラインを引っ張る感触が竿に伝わるような、ひったくるアタリです。
 発生頻度は少なく全体の5%程度となります。

 ヘチ狙いでこのアタリがでた瞬間は最高に嬉しのですが、ハリ外れによるバラシが多いのが特長です。
 沖目狙いで仕掛けを遠投している場合は、水面に浮いているラインがサーっと入るように見えます。
★各アタリに関する詳細は、下の項目で説明しています。
 また、アタリが出た後に発生する、エサを吐き出す割合や、アタリへと変化する割合についても説明しております。





2.止まるアタリ(ストップ・アタリ)とは?
 なんと全体の70%前後がこのアタリだったのです。
 そしてこのアタリが発生した事に気づかないと、エサを潰されたり、別のアタリへ変化します。

 このアタリは、水中を落ちて行くエサが途中で止まる現象です。
 あたかも、エサが岸壁に引っ掛かってしまったと勘違いするぐらいピタっと止まります。

 止まっている時間は統一性が無く、0.5〜6秒間となります。

 但し、最大時間が6秒となっているのには理由があります。
 止まるアタリが発生した後、6秒以上聞き合わせをせずに耐えることが自分の性格的にできないので、これ以上の時間を過ぎたらどうなるのか調べたことがありません。

 但し、入れ食いの時には15秒以上聞きアワセをしないで耐えたことがあります。
 この時どのようになったかは一番下の項目で説明しています。

■止まるアタリの発生時間について (エサを吐き出されるケース編)
□0.5〜1秒間静止するアタリ ⇒その後、エサを吐き出される
 実際ラインを凝視していてもホンの一瞬なので気づかない方は多いと思います。

 私はなぜかしら気づいちゃうんですよね!(~o~)
 なので、TVやビデオでの釣りシーンを見ていると、画面に登場する釣り師が聞き合わせをする前に、「アッ、オカシイ!」とか、「アタッタ!」なんて叫んじゃいます。(^_^)b

 だって、何秒も前に前アタリが(一瞬の止まるアタリ)が出ているのに気が付かないのですから。
 この様に、名人と言われる方々でも見落としてしまうくらい微妙な瞬間(時間)と言うことです。


 通常海面は波・風の影響を受けていますので、アタリを取る為のライン(ミチイト)は不規則な動きをします。
 しかし不規則といってもある程度同じパターンで動くので、アタリが出た時には、一瞬それとは違うラインの動きを感じるのです。

 その不自然な動きが『止まるアタリ』とは瞬時に判断できないので、聞き合わせとゆう動作で対応します。
 

 ちなみに、昔から思っていたのですが、黒鯛がエサをくわえて吐き出すまでの時間が0.5〜1秒とは、あまりにも早すぎると感じていました。

 実際、見える黒鯛との格闘で黒鯛の捕食行動を見ていますが、0.5〜1秒なんて速さでは吐き出しません。
 平均すると1.5秒ぐらいが多いです。
 
 イメージとしては、エサをパクリとくわえ口を閉じ、そして「ペッ!」と吐き出します。
 そしてこの一連動作はそれほど速くも遅くもないので1.5秒ぐらいに感じます。

 で、游漁船の仕事をはじめてからわかったことですが、ある日、常連のナベちゃんが見える黒鯛を発見!
 すぐさまエサの投入!

 ベスポジに入り、黒鯛はエサをパクリ!
 その瞬間、ナベちゃんは聞き合わせとゆうかアワセをしヒット!
 最終的にこの魚はキャッチできたか、バラシたか、スッポヌケで終わったか忘れましたが、この時、衝撃的な事実が判明したのです。

 竿を握っているナベちゃんは、水面のラインなど一切見ていません。
 海中に沈むエサを目で追い、黒鯛がエサをくわえた瞬間に聞き合わせをします。

 この時、私は魚の行動と一緒にラインの変化も見ていました。
 すると、エサに突進してきた黒鯛が静止し、エサをパクリと口に入れた時、ラインは止まることなく一定のスピードで沈み続けたままだったのです。

 黒鯛はエサに向かい猛突進してきましたが、ピタっとその場に静止しましたので、黒鯛がラインを引っ張ったのではありません。

 黒鯛がエサをくわえた瞬間、ラインが水中で止まるまで、若干の時間が掛かるようです。

 推測ですが、ラインやハリスは水に沈む比重を持っていますので、ラインとハリスがオモリと同じ役割となり沈降を続ける関係(惰性かも?)から、水面に見えるラインに止まるアタリが出るまで何秒か時間が掛かるということになります。

 この事は昔から、ハリスやラインの比重が原因だろうとは思っていましたが、実際自分の目で見ない限り確証がもてなかった事柄です。

 事実、見える黒鯛を釣る時には、常連のナベちゃん同様に、沈降してゆくエサと黒鯛の動きを目で追っていますのでラインは見ていないのです。
 なので、この部分が謎だったのです。 でも、今ではスッキリ! 眠れなくなる事はありません。(~o~)b

 その昔、ハリスの比重を考えた釣り方を一時した事があります。
 釣り雑誌によると、ナイロンハリスよりフロロカーボンハリスの方が比重が重いとの文章でした。

 この為、ナイロンハリスを使い、止まるアタリの判断を少しでも早くしようと努力しましたが、結果は良くわかりませんでした。
 で、実験の際、ナイロンハリスは根ズレに弱いので魚のキャッチ率が減ってしまう問題が発生しました。

 特に外道で良く釣れるシーバスのキャッチ率が異常なくらい悪くなったのです。(ハリを飲み込まれることが多いから)。
 唯一の収入源なのでオートリリースするわけにもいかず、このテストは結論を出せないまま早々終了してしまいました。(^_^)

□1〜2秒間静止するアタリ ⇒その後、エサを吐き出される
 私にとっては止まるアタリとハッキリ認識できる、最も標準的な時間です。
 多分、止まるアタリが1秒続いた段階で必ず聞き合わせしています。

□2〜6秒間静止するアタリ ⇒その後、エサを吐き出される
 私の聞き合わせはこの秒数以前で行われる為、本来このように長い時間アタリに反応しないことはありません。

 ただ、止まるアタリである0.5〜2秒間で聞き合わせを行わなかった場合、2秒以上の止まるアタリを目視することができます。

 これは、波や風がある条件で、一瞬発生した違和感のあるライン変化を、「波の影響だろう」とか「風の影響だろう」と勝手に決め付けてしまうことが極たまにあるからです。

 そしてこの決め付けが脳裏をかすめるだけなので、腕が聞き合わせの動作に移らないと言った感じです。
 で、2〜6秒経過後、ヤハリおかしいと思い聞きアワセをしたり、仕掛けを回収のために上げたらエサを潰されていたとなります。

 通常は、違和感があったら「脳でどうするべきか考える前に」勝手に腕が動いちゃうんですがね〜。(~o~)

□コメント:止まるアタリが発生し、その後エサを吐き出すまでの時間について

 果たして何秒の時間が一番多いのかをパーセント(%)で表したいのですが、正直申し上げて結論を出せません。
 この発生時間は魚の活性に関係がないことと、どの時間も同じぐらいの発生頻度なので良くわかりません。

 ただ一言ゆうとすれば、0.5〜1.5秒ぐらいのアタリが多いように感じます。
 とゆうか、その時間内で聞き合わせをしてしまうので、集計を取ることができないのが現状です。

 なので、「アレ?」と思った瞬間に聞き合わせをしないと間に合わないと言う事です。
 そして、聞き合わせが間に合わないと、エサを潰した状態で吐き出されてしまいます。

 ね!、○○さん、貴方のためにこの文章を書いているのですよ!
 船の上ではいつも痛い目にあっているので・・・。
 「アイアタタタタた・・・」と声が聞こえてくる。(~o~)
 



 上のコメントでグダグダと記載しましたが、漁師として生活していた頃の私でも聞き合わせの動作に躊躇する事がありました。

 仕掛を上げたら、
 「やはりエサが潰されている、俺はヘボチャン! あの時のフワッがそうだったんだ! なんで聞き合わせを躊躇したんだろう?」とか、
 「アッ、魚が掛かっている! ラッキー やはりあのラインの違和感はアタリだったんだ!」と反省する日々。


 また、福の神丸に来られたお客さんは、
 黒鯛のアタリが出た瞬間、自分で判断し聞きアワセをする前に、船長に「止まった!」とか「オカシイ!」と先に言われたので、黒鯛をキャッチしても自分で釣った気になれない」と笑っていました。

 このくらい、止まるアタリの見極めは難しいのです。

 尚、止まるアタリが出た時のライン(ミチイト)の状態については、
 次の項目である【アタリの判断をライン変化から推測する方法】にて説明してあります。




3.なぜ黒鯛のアタリは止まるアタリが多いのか?
 なぜ止まるアタリが多いかは、見える黒鯛の習性を観察してわかりました。

 その行動とは、海面から落下するエサに向かってサーっと近づき、口を空けてエサをパクリとくわえると同時に水中で静止するからです。
       
■クロちゃんの行動
 [お気に入りの場所で静止状態][カニちゃんを発見した瞬間、そのゴハンに向かって猛突進][カニちゃんの1〜2cm手前で急停止]&静止状態[エサをチラっと見つめ][安心と感じた瞬間に1〜2cm前に移動][口を開きパクリとくわえる]END

同様の動作で、
 [お気に入りの場所で静止状態][カニちゃんを発見した瞬間、そのゴハンに向かって猛突進][急停止と同時にカニちゃんをくわえている]END


■エサを見つめる時間
 エサを見つめる時間は,魚の警戒心の度合いにより違いがあります。

□通常は0.5〜1秒ほど見つめてエサをパクリ。
□警戒している時は、1〜3秒考えてからパクリ。
□人間のワナと感じた時は、エサに対し警戒行動を取る。
 この件は、項目【衝撃、実際に目で見た「捕食」の瞬間】にて説明しております。

□いきなりエサくわえる行動がなぜかは良くわかりません。
 警戒していないからか?、
 エサをいち早くくわえないと海中に沈んでしまうから?
 カニエサを使用した場合⇒カラスガイの隙間に逃げられ危険性があるから?

■長時間、黒鯛の行動を観察していると、『胸ビレ』を使った独特な泳ぎ方をすることに気付きました。
 黒鯛の摩訶不思議な行動を注意深く観察していると、黒鯛特有の特殊な泳ぎ方がわかってきました。
 それは、スーッと泳いできた魚が停止する瞬間、胸ビレをサッと横に90度の角度で広げ”ピタッ”と止まるのです。

 そう、黒鯛は自分の思い描いた場所で急停止する能力を持っているのです。
 それも、物凄いスピードでエサに突進して来たにもかかわらず静止することができるのです。

 常識的に考えて、物凄いスピードでエサに突進してきた魚が、胸ビレをパッと広げても止まれるとは思いませんよね!
 いくら胸ビレを広げたからと言っても、突進してきた時の惰性が付いているので少しは前に進むと思うのですが、見事なくらいピタッと止まります。

 例えは、自動車や自転車に乗り、時速20〜30キロのスピードで走っていると考えて下さい。
 この時、急ブレーキをかけたとしても、惰性がついているのでピタッと止まれませんよね!

 しかし黒鯛は止まれるのです。
 それも、惰性で1cm以上前後に進む事無く静止できるのです。
 凄いと思いませんか?

□普段の行動 (実際には黒鯛の生息する障害物の形状により違いがある)

⇒普通に泳ぎまわる。(単独/5匹前後の群れ/10〜20匹の群れ)

⇒黒鯛はお気に入り障害物の近辺をゆっくりと巡回する。(単独/5匹前後の群れ/10〜20匹の群れ)

⇒カラスガイの層を口でガリガリ突付きながら捕食行動を行なっている。

⇒黒鯛はお気に入り障害物を選び、その場所から動かない。(ヒレは動かしているが静止している状態)

⇒「ス〜〜」と、ゆっくり泳いでいた魚がピタと1〜3秒その場で静止、再び泳ぎだし、「ス〜〜」と泳いでまたピタッとその場で静止、この動作を繰り返えす。

 見ていると、まるで惰性を付けて泳ぐ事が嫌いなのかと思わせる泳ぎ方です。
 私の想像ですが、障害物の周りを泳ぎながらエサを探している行動だと思います。
 そして、「怪しい場所を発見したら静止し確認、何もなければ再び泳ぎだす」と言った行動だと思います。

⇒黒鯛はお気に入り障害物を選び、一箇所の障害物を独占し他の黒鯛を近寄らせない。
 とゆうか、その場所の横を通過する別の黒鯛が、障害物を独占している黒鯛に敵意を持ち喧嘩を仕掛ける姿を見たことがないので、「近寄らせない」との文章は不適切かもしれません。
 実際には、見えない場所で縄張り争いをしているのかも知れない。
 それても、早い者勝ちのルールがある? それとも、喧嘩が嫌い?
□エサを発見した時の行動

⇒障害物の陰でジットしていた魚が、1m隣の障害物で「エサ?」を発見した瞬間、
 物凄いスピードでその場所に突進、「エサ?」を発見したと思われる障害物の5〜6cm手前でピタッと静止したのです。
       
 その場所にエサがいたのかは分かりませんが、5分以上このカラスガイの間を見つめていました。
 この時、「ア〜残念、カニさん隙間から出てこないかな〜、カニさん食べたいな〜」と考えているのかも?
 繰り返し申しますが、なぜあのスピードで止まれるのか非常に不思議です。

 尚、黒鯛がエサを発見した時の行動について、項目【衝撃、実際に目で見た「捕食」の瞬間】にてご確認ください。



 皆さん、今度黒鯛に触れる機会があったら胸ビレを広げて観察して下さい。
 なかりの長さがあり幅もあるので、上記のコメント内容が理解できると思います。

 とは言っても、長さと幅を持ち合わせた胸ビレがあるからといって、目にも止まらぬ速さで泳いでいる惰性を完全に止められる事が、正直信じられまんけど・・・。
 それも、数えきれないくらい止まるシーンを見ているににもかかわらず・・・。


■結論
 私の想像ですが、この止まると言う行動は黒鯛の習性であり、エサを見付けた時のに行う確認行動と、エサを捕食する瞬間の捕食行動に用いられているのだと思います。




4.実験 [止まるアタリが出た時、聞き合わせを行わないとどうなるのか?]

 止まるアタリが出た事に気づかないでいると、下記の実験結果となります。
 尚、吐き出されないケースに於ける黒鯛の行動に付いては、次の2ページ目の項目で説明しています。

■実験 止まるアタリが出た時、聞きアワセを3〜6秒しなかった場合
 【カニエサ偏】 エサを吐き出す確率(エサを潰されて終わりとなるケース)
□コメント
 エサを吐き出す確率は、その日の魚の活性が大きく影響します。
□活性が良い場合
 全体の20〜30%の魚はエサを吐き出しますが、
 70〜80%の魚はエサをくわえたままの状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□活性が普通の場合
 全体の50%程度の魚が吐き出しますが、
 残り50%程度の魚はエサをくわえた状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□活性が悪い場合
 全体の70〜80%の魚が吐き出しますが、
 残り20〜30%の魚はエサをくわえた状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□その他
*カニエサの種類 = 岩ガニ(クソッカニ・ドロガニ・ボサガニ)とアブラガニ
*タンクガニとサバガニ(インベーダー)に付いては、殆ど釣りで使用しないのでわかりません。
*この実験は船上から行う落し込み釣りでのデータです。


■実験 止まるアタリが出た時、聞きアワセを3〜6秒しなかった場合
 【エビエサ偏】 エサを吐き出す確率(エサを潰されて終わりとなるケース)
□コメント
 エサを吐き出す確率は、魚の活性による影響が少ないのが特徴です。
□活性が良い場合
 全体の5〜10%の魚はエサを吐き出しますが、
 90〜95%の魚はエサをくわえたままの状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□活性が普通の場合
 全体の5〜10%の魚はエサを吐き出しますが、
 90〜95%の魚はエサをくわえたままの状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□活性が悪い場合
 全体の20〜30%の魚が吐き出しますが、
 残り70〜80%の魚はエサをくわえた状態で静止、又はエサをくわえたまま泳ぎだします。
□その他
*エビエサ=淡水のモエビと海水のボサエビ
*この実験は船上から行う落し込み釣りでのデータです。


■実験 止まるアタリが出た時、聞きアワセを3〜6秒しなかった場合
 【ツブ(カラスガイ)偏】 エサを吐き出す確率(エサを潰されて終わりとなるケース)
□コメント
 ツブ(カラス貝)の場合は、船からの落し込みで使用する頻度が極端に少ないので平均的な割合を出す事が難しいのが現状です。

 なぜデーターの収集をしていないのかについては、船からの落し込みでツブを使用する頻度が極端に少ないからです。
 表現を変えるとカニエサの方が良く釣れるからです。

 吐き出す確立は、私の想像ですが、カニエサと同じデータとなると思います。

 但し、黒鯛の活性が良い場合は、ツブを吐き出す割合が極端に低くなる場合があります。
 印象としては、カニエサだと潰される割合が高いが、ツブだと吐き出す頻度が少なく、
 聞き合わせのタイミングが遅れても黒鯛がヒットする事が多い。

 と言った感じの面白い現象もあるので、それがなぜかはクロちゃんに話を聞いてみないとわかりませんね!


■実験方法の解説
□コメント
 上で記載した実験結果は、色々な条件(魚の活性条件)で『止まるアタリ』を確認し、その後に聞き合わせの動作を行わないことを条件に試した結果です。

 この為、アタリを確認してから3〜6秒仕掛けを上げずに我慢しています。

 しかし、漁師として生活するには1匹でも多くの魚を釣ることが必要ですので、長時間仕掛けを上げずに耐えることが難しく、よって我慢ができる限界が3〜6秒でした。(~o~)

 逆に、不自然なライン変化を「風や波の影響だろう」と勝手に決め付けてしまい、ラインを見続けてしまったケースも、この集計に含まれています。

 で、このページに記載してある数値は、長年に渡る私の実験データなのです。


 ちなみに、一般の堤防ではこの実験が非常にしにくいです。
 その理由は1匹でも多くの黒鯛を確実にキャッチしたいからです。

 なので、偶然にもアタリが物凄く多い時以外(爆釣の時)は、実験をしたことがありません。

 ついでに、私の釣り方の問題もあります。
 私の場合、普段堤防でツブやカニエサを潰される回数が極端に少ないので正直答えが出せません。

 その理由は、私の釣り方が、エサの着底=止まるアタリと考え即聞きアワセなので、師匠の行なう、着底してから2〜3秒待ってから聞きアワセをすると言う一般的な釣り方と違う事が、エサを潰される頻度が少ない要因だと思います。

 この件はタナ釣りでも一緒です。
 タナ釣りでも止まるアタリが出た瞬間に聞き合わせをしますので、一瞬待つとの動作が一切ありません。
 よってエサを潰される事が少ないのです。


 まあ、一般の堤防で釣りをする際、止まるアタリが出た後、普段から1〜6秒待つ方ならデータの収集はできるはずです。
 それをデータとして収集するか・しないかは皆さんしだいですね! (~o~)b


■沖目狙いでの不思議な現象
 堤防・テトラ・磯から沖目を狙った場合は、ヘチ狙いの釣りに比べ、不思議とエサをくわえたまま泳ぎだす魚の数が増えます。
 また、エサを吐き出ず割合が減ります。(潰される割合が減る)

 なぜこの様な現象が発生するのか、師匠以外の名人と呼ばれる方々に聞きましたが、
 皆さん、「そう言われると、そうだね〜」で、終わってしまうのです。(~o~)

 で、その後に付け加えられる言葉も同じで・・・
 黒鯛の警戒心に関する問題と、ハリスの角度じゃないの???
 そして、その答えは人間の想像によるものでした。

★Aさん
 「多分、沖にいる黒鯛はそれほど警戒していないからじゃない? でもエサは潰されるけど・・・」
 「エサには異状が無くともガンダマに歯型を付けられる事が良くある。なぜかはわからないな〜」

★Bさん
 「一般の堤防に比べエサを吐き出す確立が低いことから、底を確実に取ってさえいれば、聞き合わせをした時に魚が掛かっていることが多い」
 「やっぱ警戒心が少ないからエサをスグに吐き出さないんじゃない!」

★Cさん
 「堤防のヘチを狙う場合、黒鯛はハリスが見えているのでは?」
 「だから、エサを警戒しながら捕食する。 だから吐き出すまでの時間は早いんじゃないかな〜」
 「沖目の魚は警戒していないから吐き出す確立が少ないんじゃない?」

★Dさん
 「堤防のヘチの場合、黒鯛は人間への警戒心から、エサを慎重に見定め、吐き出すか否かを考える能力を持っているんじゃない?」
 「だかから、違和感のあるエサはスグに吐き出すんだよ!」
 「でも沖目なら警戒していないのでエサをくわえたまま離さない事が多いのではないかな〜」 

★Eさん
 「沖に仕掛を投入すると、ハリスが斜めになる関係で黒鯛はハリスを見落とし、エサを警戒していな状態で捕食する」
 「だから、エサをくわえたまま静止していたり、エサをくわえたまま泳ぎ出すのではなか?」

 てな感じです。
 この件も、答えはクロちゃんに聞いて見なければわかりませんね!(~o~)


■堤防で入れ食い! だがバラシのオンパレード
 黒鯛が入れ食いになるような条件は何度も体験しています。

 2,3回仕掛けを落せばアタリのあるケースもあれば、5分間に2,3回アタリがあるケースなど様々です。
 その経験の中でも、特別印象に残っているのがバラシのオンパレードをしてしまったときです。

 当日はツブのエサを使い、2回仕掛けを落せば必ずアタリがある状況でした。
 アタリの発生は殆どがタナで、表層30cm〜2mまででアタリがある感じです。

 アタリの種類は止まるアタリが50%前後、竿にコンと感触がある入るアタリが30%前後、ヒッタクルアタリが20%前後でした。
 魚のサイズは40〜45cmぐらい。
 で、1〜1.5時間の入れ食いで、5,6匹しかキャッチできませんでした。

 この時、バラシ・スッポヌケのオンパレード!
 ハリの種類やエサの大きさを変えても変化なし。
 カニエサを使ったかは覚えていない。(多分、使っているはず)

 で、この時、あまりにも外れてしまうので、「エサを飲ませてやろう」と、アタリがあっても聞き合わせをせずにラインを出し続ける作戦に出たので。

 作戦は見事に失敗!
 ラインを緩めたまま10秒放置しようが、15秒放置しようが、ヒットしている黒鯛はヤリトリの最中にハリハズレしてしまうのです。

 この時、20秒ぐらいまで待つとどのような結果になるか実験しました。
 で、昔はその実験結果を覚えていたのでが、忘れてしまった! ギャハハ・・・

 でも、サスガに30秒は耐えられなかった事と、エサを吐き出される確立が異常に少なかった記憶があります。
 なので、エサを吐き出されるかくわえたままでいるかは運しだいとの事ですね!



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