【一番難しいアタリについて 2ページ目】 



5.実験 止まるアタリが出た後、エサをくわえたままの黒鯛はどのような行動を取るか?
 (このデータ内容は、
エサを吐き出さない黒鯛の行動です)

@その場に静止したまま動かない
A静止した状態で、潮の流れに同調しゆっくり動く
 ⇒泳ぐのではなく、潮に流されている状態
Bスーとラインが動く
 ⇒エサをくわえたまま泳ぎ出す状態
C止まるアタリが出た後、ラインが1〜2cmキュッと入り、再び止まる
 ⇒理由不明

■実験データの詳細について
@その場に静止したまま動かない。
 エサをくわえたまま、その場で静止している魚の割合はかなり高めです。
 魚の活性が悪い日ほど、その場から動かない魚が目立ちます。

 活性が良い場合= 50%程度の魚が、その場に静止したまま動かない
 活性が普通の場合= 60%程度の魚が、その場に静止したまま動かない
 活性が悪い場合= 70%程度の魚が、その場に静止したまま動かない

A静止した状態で、潮の流れに同調しゆっくり動く
 ⇒泳ぐのではなく、潮に流されている状態
 エサをくわえたまま潮の流れに同調する魚は、魚の活性にはく影響しないように感じます。

 活性が良い場合= 10%程度の魚が、潮の流れに同調する
 活性が普通の場合= 10%程度の魚が、潮の流れに同調する
 活性が悪い場合= 10%程度の魚が、潮の流れに同調する

Bスーとラインが動く
 ⇒エサをくわえたまま泳ぎ出す状態

 エサをくわえたまま泳ぎ出す割合は魚の活性が大きく影響しますが、その絶対数は少なく全体の10〜30%程度となります。

 活性が良い場合= 30%程度の魚が、エサをくわえたまま泳ぎだします。
 活性が普通の場合= 20%程度の魚が、エサをくわえたまま泳ぎだします。
 活性が悪い場合= 10%程度の魚が、エサをくわえたまま泳ぎ出します。


C止まるアタリが出た後、道糸が1〜2cmキュッと入り、再び止まる
 このアタリは不思議な動きをするアタリで、発生頻度が少ないので割合を出すことができません。

 強いて申し上げると、魚の活性にもよると思いますが、多分10%弱だと思います。
 このアタリは、止まるアタリが0.5〜1秒出た後、再びキュッと1〜2cmラインが入り、再び止まるアタリが出ます。

 落し込みの基本である、イトフケを作りながら落したり、水面にラインを浮かべる方法であれば判断できると思います。

 私の場合は、2通りの落し方で体験しています。
 一つは、ラインを水面に浮かべている状態で落し込み釣りを行っている時です。
 この浮いているラインがこの様な変化を見せます。

 二つ目は、ラインを貼った状態で落とし込んでいる時です。
 この場合、止まるアタリが0.5〜1秒出た次の瞬間に竿に”コン”と振動が伝わります。

ちなみに、極普通の入るアタリに付いては、次の項目で説明しています。


 私の想像ですが、
 最初の止まるアタリが出た時、黒鯛は前歯の犬歯でエサを挟んでいる状態ではないでしょうか?
 その後、エサを海水ごと口の中に吸い込むのでラインが1〜2cm動くのかも?

 もしかしたらエサに逃げられないようにする為、犬歯で噛んでいるのかも?

 それとも、既に口の中に入っており、それを歯で噛み砕こうとする時に入るアタリへと変化するのかもしれません。

 多分、[お気に入りの場所で静止状態][カニちゃんを発見した瞬間、そのゴハンに向かって猛突進][急停止と同時にカニちゃんを犬歯でくわえている][食べても大丈夫だと判断?][カニを海水ごと口の中に吸い込むEND
 但し、 [食べても大丈夫だと判断?]しているとは限りません。


 カニは俊敏な生き物で逃げられる危険性があることから、犬歯や奥歯で一旦噛むのかもしれませんし・・・

 良くカニを潰された時、エサをグッチャリとは潰されず、甲羅の部分に黒鯛の犬歯の穴が空いていることがありますし・・・

 カニの身体の半分だけが潰され、残りの甲羅部分に穴が空いているケースが良くありますし・・・

 ツブを使って釣りをしている時、コンのアタリを感じた時にはスッポヌケが多い事と、キャッチした時、ツブが割れないで残っていることが多いし・・・

 それとも、黒鯛は危険なエサだと言う判断を、不自然な動きやハリスの存在で行なっているのかはわかりませんが、口の中で潰したり、犬歯で挟んで確認したりと色々な行動を取っているのかな〜?

 でもでも、見える黒鯛がエサ(カニ・ツブ)をパクリとくわえた時、口を開いてモグモグする姿は見た事がありません。
 ただ単純に口を閉じてくわえているだけなのです。


 でも、エサを吐き出す瞬間は時々見ます。
 吐き出す動作は単純で、口の中の海水毎、ピュッっと吐き出します。

 吐き出した後の黒鯛の行動は色々で、
 その場で静止したまま動かない魚や、ゆっくり海中に沈むように潜ってゆく魚、
 サーッと勢い良くUターンしその場から離れるく魚や、ゆっくりUターンし、海中に沈むように潜ってゆく魚など様々です。

 但し、一度吐き出したエサを再び捕食する姿は一度も見ていません。
 なので、警戒心や違和感でオカシイと思うのだと思います。

 考えるとキリが無いのでこの辺で止めましょう!(^o^)

D食い上げ、エサをくわえたまま水面に浮いてくる。

 このアタリは非常に面白いアタリです。
 なんと、止まるアタリが出た後、魚が動き出し水面向って浮いてきます。

 黒鯛自らがラインをたるませ、人間に『アタリだよ!』と教えてくれるのです。(~o~)
 発生頻度の割合はなんともいえませんが極少数です。

 このアタリは、ラインを水面に浮かべる釣り方をしないとわからないので、一般の釣り師の方は滅多にお目にかかれないと思います。


 このアタリに関する講釈は私の想像で恐縮ですが、なぜ食い上げの行動を取るのかについて考えてみました。

 見える黒鯛を観察していると不思議なことに気付きます。
 これは、黒鯛が好む水深の問題です。

 水深のある堤防の場合、黒鯛は水面付近でエサを探している魚が多いように感じます。
 まあ、実際には潜ってみないとわかりませんが・・・

         

 ある時、何匹もの黒鯛が同じ水深でエサを探している事に気付きました。
 その場所は上図のようなカラスガイが密集し、堤防から膨らんでいる部分です。

 カラス貝の密集地帯の幅は水面付近から1〜3mですので、この水深付近でエサを探しています。
 そして、10匹の黒鯛が見えていた場合、7,8匹は同じ水深でエサを探しています。

 その中でも特別お気に入りの水深は、カラスガイが密集し堤防から膨らんでいる部分です。
 この膨らんだ部分の幅はそれほど広くなく、大体1m以内です。

 その1mの幅の水深に黒鯛がズラーっと整列しているように見えるのです。
 で、それより浅い水深や深い水深には1,2匹の黒鯛しか見えないような感じとなります。

 で、この良く見かける黒鯛勢ぞろいのシーンを見た後、偶然にも食い上げのアタリが多くありました。

 で、考えてみると、
 エサを発見した黒鯛は、捕食する行動(落下するエサを追い掛ける)で一旦深い場所まで潜ります。  無事捕食成功(私のハリ付きのエサ)、その後、お気に入りの水深に再び戻るのでミチイトが浮いてくるのではないのかと私は思いました。

 お気に入りの水深=エサ(ゴハン)が豊富な場所なので、その水深で待機していれば高確率でゴハンを捕食できるのではないかと考えたのです。

 まあ、それ以外考えられなかったので、ただのコジツケ見たいなものですけどね!(~o~)
 実際には、その理由をクロちゃんに聞いてみないとわかりません。

 ちなみに、潮位が満潮の場合はカラス貝の層が水面から深くなる関係から、黒鯛も深い場所へ移動します。
 干潮でカラス貝の層が水面付近に出てくると、水面下20〜1mの間でエサを探す姿を多く見かけ、それより深い水深では見かける数が少なくなります。

 以上の理由に付き、黒鯛は高確率でゴハンを捕食できる場所がお気に入りとの事です。
 堤防から黒鯛を狙う場合、潮位により探る水深を変える事をお忘れなく!





6.入るアタリについて (ラインがシュッと入った後、止まるアタリへと変化する )
 
”キュ”っと、1〜2cmラインが入り、その後に”止まるアタリ”が出ます。
 このアタリがでる割合は全体の
20%程度です。

 止まるアタリの次に多いアタリですので、体験されている方は多いと思います。
 (参考:止まるアタリ=全体の70%前後)

 私の想像ですが、このアタリは、エサを
海水毎吸い込んだ時のアタリだと思います。

 ラインが動いた後、止まるアタリへ変化するのは、これまでの項目で述べた、黒鯛の捕食行動が静止した状態で行なわれるからです。

 このアタリは、落し込みの基本である、イトフケを作りながら落していれば判断ができると思います。

 とは言っても、キュっと入るラインの幅が短いので、波や風の影響によるものと勘違いするケースは多いと思います。
 そして、1〜2cmラインが動いた後に発生する止まるアタリで、釣り人は黒鯛のアタリである事に気付くと思います。


 私の場合は、
2通りの落し方(釣り方)で体験しています。
 一つは、ラインを水面に浮かべている状態で落し込み釣りを行っている時です。
 海面に浮いているラインがこの様な変化を見せます。

 二つ目は、ラインを張った状態で落し込んでいる時です。
 この場合、
竿に”コン”と軽い振動が伝わるのでアタリと判断がしやすいです。

 皆さんが釣りをしている時、竿に”コン”と伝わるアタリがこれです。

 このアタリの特徴としては、エサの種類によって、このアタリが出やすいものと出にくいものとがある事です。
 詳細を下表にまとめてみました

■エサの種類によるアタリの違い
ツブ(カラス貝)
 ツブの場合はこのアタリが良くでます。
カニ=岩ガニ(クソッカニ・ドロガニ・ボサガニ)とアブラガニ
 カニはなぜかしら少ないです。
*タンクガニとサバガニ(インベーダー)に付いては、殆ど釣りで使用しないのでわかりません。
エビ=淡水のモエビと海水のボサエビ
 エビの場合はこのアタリが良くでます。

 また、エビを使った場合、このアタリが出る割合が急激に増えます。
 止まるアタリが出る割合と比較すると、止まるアタリ50%に対し、入るアタリ50%といった比率です。

 そう、エビちゃんを使うと、半分のアタリが、この1〜2cmラインが動いた後に止まるアタリへと変化するのです。


多分皆さんは思うはず、
 エビちゃんを使った時には、「ラインを引っ張ってゆく
完全向こうアワセひったくるアタリ)が多いのではないだろうか?」と・・・
 実は物凄く少ないです。

 ひったくるアタリ発生頻度は、カニやツブ使用した際の数値と同じになりますので、発生頻度はアタリ全体の5%程度となります。

 どうやら黒鯛は、エサを捕まえた後、静止した状態でエサに異常がないかチェックする習性があるみたいですね!


 ちなみに、エビエサで狙うシーバスは、キュット入るアタリの発生率が高く、全体の80%程がこのアタリとなります。
 但し、キュっとラインが入る幅はもう少し広く、1.5〜4cmぐらい動きます。

 で、シーバスの場合はアタリ発生後に即アワセをするより、一呼吸してから聞き合わせをしたほうが良い結果が出ます。(ハリハズレ対策)

 で、ワンテンポ遅らせている際、止まったラインが一向に動かない事があります。
 そう、ラインの状態が止まったままの時には黒鯛の可能性があるのです。

 シーバスは止まるアタリに変わった後ゆっくり泳ぎだすので、ラインがゆっくりス〜〜と動きだします。
 ですが、黒鯛は毎度のように静止しているので、
 「これは黒鯛かも?」と、魚の姿を見る前に魚種を判断をすることができます。
 (100%ではありませんけど、高確率で当たります)

 もう一言、
 黒鯛にとってエビちゃんは特別なエサのようで、違和感を感じ吐き出す割合は少目です。
 遊漁船の仕事を始めた頃は、カニ・ツブに比べどのくらい少ないかの割合を覚えていたのですが、PCに保管していたデータがPCトラブルで全滅した事と、最近ボケがはじまった様で忘れてしまいました。 アハハ・・・
 確か、潰されるた状態吐き出される割合は10%前後だったような記憶があります。



 では、なぜエサの種類の違いで、『キュッと1〜2cm入るアタリ』の出方が変わるのでしょうか?
 (ツブ=このアタリが良く出る カニ=このアタリが少ない)

 私の想像ですが、水中の動きが早く捕食しづらい場合に、海水毎吸い込む行動を取るのではないでしょうか?

 その考え方は、エビエサを使用した場合のアタリの発生率を見ると想像できます。

 エビは水中での逃げ足が速いので、黒鯛としては、まず口でエビちゃんを捕まえる事が重要。
 とゆうか、いつも逃げられてばかりで簡単に捕食できない特別なゴハンなのではないでしょうか?

 だから、捕食しづらいので、海水毎吸い込む捕食行動を取るのではないのでしょうか? 
  ⇒エビちゃん発見!
  ⇒エビちゃんに急接近&急停止
  ⇒エビちゃんを海水毎吸い込む
  ⇒この時、1〜2cmキュッと入るアタリ発生
  ⇒捕まえた後、いつもの静止スタイルで、エビちゃんに異常がないかチェック
  ⇒食べても大丈夫と判断したのなら食べる
  ⇒異常を感じた時には、ペッっと吐き出す!
 てな感じではないでしょうか?


 ツブのエサは、水中ではカニよりも早く落下します。
 なので、発見した落下状態であるツブを食い損なわないようにする為、エサに向かって猛突進!

 普段は余裕でツブの前に到着し、ツブに異常があるかないかをチラっと見ながら行ない、大丈夫と感じたらパクリとするところを、 何かの条件でツブの目の前に余裕で到着できなかったと仮定する。

 海中へ落下するツブに対し、
 黒鯛は、
「余裕で追い付けない。 このままでは口でくわえそこなう危険性がある」と判断?
 急いでツブの目の前に到着し、海水毎ツブを吸い込む行動を取り対処する?
 で、ツブをくわえた後は、お決まりの静止ポーズでツブに異常がないかを確認するのでは?


 ではカニちゃんの場合は?
 キュッと入るアタリの発生頻度が少ない理由を考えると・・・。

 生きているカニは水中での泳ぎが上手くないので、黒鯛にとっては余裕でエサの前に到着できるのではないでしょうか?

 但し、岸壁に手足を掛けたカニの動きは俊敏なので、
 逃げられる危険性がある状態では、エビやツブの時と同じように、海水毎吸い込む行動を取るのかもしれませんね!
★参考:カニちゃんの泳ぎ方
 元気なカニちゃんを堤防のキワに落すと、面白い泳ぎをして堤防に到着します。

 その泳ぎ方は、まるで
1円玉をお風呂の湯の中に投げ込んだように、水の抵抗を受けながらフラフラと沈んで行きます。

 1円玉の沈み方は、
平らな横面では水の抵抗を受けゆっくり沈み、縦方向に傾く事で、水の抵抗を受けにくくなり、斜め下方向へサーっと沈みます。
 このヨロヨロ&スーっと沈んで行く様子がカニちゃんの泳ぎ方(沈み方)と同じとなります。

 海中に投げ込んだカニちゃんは、手足の角度を変えながら堤防のカラスガイの層を目指します。
 下記にその様子を記載しました。

@カニちゃんをポイっと堤防から50〜70cm離れた場所へ軽く投げ込みます。

A投げ込んだ瞬間はの動きは3通りの動きをします。
⇒手足をバタバタ/手足を小さくまとめ動かない/手足を広げたまま動かない

Bカニちゃんは自分のおかけれた状況を1〜4秒間、『冷静?』に判断します。

C
「堤防の戻れるかも?」と判断したカニちゃんは、
⇒上の図の様に手足の角度を変えなが、自分の身体に当たる海水の抵抗変え、角度調整を上手に行ないながらカラスガイの層に到着します。 

 面白い事は、誤って自分の意図する方向へ向かわない場合は、
手足を動かし身体全体で海水の抵抗を受ける横向き状態に変え、海中に沈むスピードを一旦殺します。

 その後、最も素早くカラスガイの層に近づくコースを選び、
縦方向へ身体を傾け、スーっとカラスガイの層に向かいます。
 で、カラスガイの層に到着する瞬間のみ手足をバタバタさせながら微調整を行ない見事無事生還となります。

 この泳ぎ方がまるで
1円玉をお風呂に投げ入れた動きそのものなのです。
 カラスガイの層に到着する瞬間に行なう手足をバタバタさせる行動を見ていると、カニちゃんの「ハッハッァ、もう少し、ハッハッァ」との息遣いが聞こえて来るようですよ!(~o~)


 で、
自分の意図する方向へ向かわない場合に行なう、横向きでスピードを殺す方法は、一度行なうだけで終わる場合もあれば、5,6回行ないながら方向を変えるカニちゃんもおります。
 人間のように、泳ぎが上手い方とヘタッピの方がいるもかもしれませんね!(~o~)

 そうそう、カニちゃんを投げ込んだ後、
「カラスガイの層に戻るのは困難」と感じたカニちゃんは、沈む方向を無視した状態で身体を縦にし、スーっと海中に沈んでゆきます。
 この泳ぎ方を見ると、いち早く海底に辿り着きたいとの意思が伝わってきます。


 ちなみに、タンクガニは全く動かないまま底へ沈んでゆきます。

 普段、元気なタンクガニをエサで使っているとあまり動きませんが、カラスガイの層に近づけると手足をバタバタさせてカラスガイにしがみつこうともがきます。

 しかし、カラスガイの層から5cmぐらい離れてしまうと死んだフリ作戦のように動かなくなります。
 多分、タンクは泳げないのだと思います。 まあ、あの身体と重さだからね!

 そうそう、タンクは底に到着すると元気良く動き回るようで、聞き合わせの際、手の爪でカラスガイのかけらや海草を掴んできたり、底にある突起物を掴んでいる感触が聞き合わせのさい竿に伝わります。
 そう考えると、海中の底では大きな手の爪で元気良く動き回り、逃げ込む場所を探しているように感じます。


★参考
 以前、雑誌「ちぬ倶楽部」に掲載されている写真を見てビックリしました。
 水槽飼われている黒鯛が、底にあるエサをパクリと海水毎吸い込み捕食するシーンの写真です。

 エサを吸い込む瞬間、口のまわりの皮がビヨ〜〜ンと伸びるのです。
 これにはビックリしました。

 伸びた瞬間の写真を見たら、「これ黒鯛?、ヒイラギではないの?」て感じです。
 こんなに勢い良く吸い込む事ができるのならば、竿に振動が伝わるアタリが出ても不思議がないように思うのですが、実際は判断しにくいアタリばかりですね!

 私は海中でエサをくわえる瞬間の黒鯛を何匹も見てきましたが、口の周りがビヨ〜ンて伸びる姿は見たことがありません。
 当船に乗船し、見える魚を釣りまくっているお客さまも同様です。

 いつも見る姿は、口を普通に開いてパクリとくわえるシーンだけ・・・。
 ヘンなの?




7.横に動くアタリ (落下状態のラインが横へ動く)
 これが一番分かりにくいアタリです。
 このアタリの発生頻度は少なく全体の5%程度です。

 エサを落すスピードと、全く同じスピードで、魚がエサをくわえたまま泳いでいる状態です。
 動く幅もゆっくりと5cmぐらしか動かないので見落としが多くなります。

 この時、ラインが若干沖にでるように動いたり、潮の流れに逆らったりしますので、オカシイと思ったらスグに聞きアワセをしましょう。

 このアタリの判断は難しく、日頃この釣りばかり行なっている私でも、聞きアワセをするべきか躊躇する事があるくらいです。

 私の場合、オカシイと思ったら即座に聞きアワセを行なう事にしていますので、異変があったら脳が勝手に右手を動かし聞きアワセをの行うようになっています。
 なので、「アレ?オカシイ、聞きアワセをしようかな〜?」と考えてからの行動は殆どありません。

 勝手に竿を持つ腕が動くといった具合です。
 そんな私が聞き合わせをすべきか躊躇しますので、大変判断しづらいアタリだと思います。

 判断しづらい理由は、横に動くラインのスピードが非常にゆっくりだからです。
 人間の目で判断できる程度にスーと動いてくれれば良いのですが、のっそりと動くので気が付きにくいのです。

 ついでに動く幅も5cmぐらいですから、波や風を受けている状態だと、あたかも仕掛けが沈み続けているように感じてしまいます。
 で、竿を上げたら、「ヤッパ、魚が掛かっていた!」となります。(~o~)b




8.完全向こう合わせ(ヒッタクル・アタリ)
 ラインを引っ張る感触が竿に伝わるような、ひったくるアタリです。
 発生頻度は少なく全体の5%程度となります。

 いきなりエサに飛び付き、引っ張って行きます。
 最高に嬉しい瞬間ですが、ハリ外れでバラス確立が非常に高いのが特徴です。

 このアタリは、魚の活性が高い場合は多く、活性の低い場合や一般的な条件では少ないアタリです。
 また、沖目狙いの時に多く見られるアタリで、水面に浮いているラインがサーと動くシーンが見えます。




■最後に
 私の本音。失礼な文章でごめんなさい。

 このアタリは、何度か体験すると
「これがアタリだ」と分かるのですが、なかなか黒鯛が釣れない方にとっては、このアタリが一番難しく、とても知りたい内容だと思います。

 失礼な文章ですが、なかなか釣れない方が、なぜこのアタリを体験することができないのか?
 答えは、「釣り方が悪い」からなのです。

 しかし、釣り方が落し込みの「基本」に近い方は体験できるのです。
 釣り方が良ければ、必然的に魚との出会いが増えるので色々なアタリを体験できるのです。

 まずは、釣り方の基本を身に付けましょう。
 第一歩はここからです。


 師匠が私に「落し込み釣り」を教える際、こんな事を話していました。
 「黒鯛を釣りたいのなら、他人の釣りは絶対真似するな」と。

 師匠は私に「正しい基本」を教える為、他人の基本に当てはまらない釣り方を、
「完全に無視」するように仕向けました。
 ここまで徹底していたのです。

 だからこそ上達が早かったのです。
 しかし、皆さんは私の師匠のような釣り師に出会わない限り、短期間で落し込み釣りを習得するのは難しいはずです。

 各堤防には、常連と呼ばれる黒鯛を良く釣る方がいます。
 まずは、この方々を発見し、ストカーし、釣り方を盗みましょう。


 この落し込み釣りは、夜間の黒鯛釣りから入門された方にとっては、釣り方が若干違いますので、なかなか昼間の釣りを習得しづらいようです。
 そして悔しい思いを何度も味わった方は多いと思います。

 昼の釣りは夜の釣りとは釣り方が全く違いますので、釣り方に対する不安感や今までの経験が邪魔するようです。
 考え方としては、夜からの延長ではなく、
昼の釣りは新しい釣りと考えるのが良いと思います。

 何度も申し上げますが、この釣りは経験も大事ですが、釣り方の基本が釣果を左右します。
 皆さん、今からでも遅くありません、現在の釣り方を少し変えて見ませんか?

 基本の釣り方に付いては、私のサイト内の文章を把握しても上手くはなれません。
 釣り方を目で見て覚えるしか方法がないのです。


   
【アタリの判断をライン変化から推測する方法】