東京湾の各堤防では、黒鯛のヒット率が『底周辺』で多い堤防と『表層から中層』で多い堤防とがあります。 
また、水深が3~4mの堤防の場合、底でも表層でも黒鯛が釣れますので、全ての水深を狙うことが良い堤防もあります。

上陸した堤防が、
 底狙いの堤防なのか?
  表層狙いの堤防なのか?
   中層狙いの堤防か?
    全ての水深を狙う堤防か?
を把握するには、その堤防で竿を出す釣り人の釣り姿を見ていればある程度理解できます。

上陸した堤防に黒鯛師がいない場合は、その堤防の水深を調べ、どの水深を狙うのが良いか考えて見ましょう。




■底釣り(海底周辺狙いの釣り方)

底周辺を狙う釣り方の場合、2通りの落とし方があります。

一つ目は、底周辺を探る事だけを考え、重めのガンダマを付け、表層から中層の魚を無視して仕掛けを落す方法です。
実際、この釣り方をされている方は、かなり多いです。

二つ目は、表層~中層~海底まで、釣れる可能性の高いスピードでエサを落してゆき、堤防全体を探る釣り方です。
私や師匠はこの釣り方です。

ちなみに、全ての水深を探っているのだから『全部探り』と呼べば良いと思うのですが、仕掛けを底まで落すので底釣りと言います。


□エサの落とし方

1.道糸を出しながら、その堤防の水深を測る。

2.エサが底に付いた状態で、糸フケが少しでるぐらいまで道糸をだす。
 初心者の頃は、糸フケを20cm以上出るように調整するとエサの着底が判断しやすい。

3.竿を一杯に持ち上げ、エサが海面に出るようなら釣りやすいが、エサが水面に出ない場合は、
 短竿の元ガイドとリールの間から道糸を手で手繰り、エサを海面に出して移動すると釣がしやすい。


   


4.潮の流れや風・波の影響で底立ちが取りにくい場合は、ガンダマの大きさを重くし対処する。

5.準備が整ったら、落し込み釣の基本動作である、2~3m間隔で仕掛けを落とし探り回る。


■タナ釣り(表層~中層狙いの釣り方)

タナ釣りで釣果を左右するのは探る(狙う)水深です。
黒鯛はカラスガイの層付近で活発にエサを捕食しているので、潮位が高い場合は少し深目まで探るのが良い結果を生みます。

また、初めて上陸する堤防でどの水深まで探るべきか悩んだら、他の釣り師が探る幅を参考にするのが良いでしょう。

但し、黒鯛を狙う面が風と波の影響でガボガボしている場合は、2m以内の浅ダナでアタリがあることが良くありますので、エサを潰されたり、他の釣り人が浅い水深しか探っていないようであれば、道糸を調整し浅い水深を探るように変更、効率良く広範囲を狙う釣り方に切り替えた方が良い場合もあります。


□エサの落とし方

1.その日の潮位と状況を考慮し、表層から何メートル下まで探るかを考える。
 基本的には表層のカラスガイの層を狙う。 一般的には2.5~3.5m探る。

2.探る水深を決めたら、竿からその水深分の道糸を出しておく。

3.準備が整ったら、落し込み釣の基本動作である、2~3m間隔で仕掛けを落し探り回る。


■私が東京湾の各堤防に上陸した時の経験

□満潮時の水深が4.5m以下の堤防の場合、全ての水深で黒鯛がヒットする可能性がありますので、表層から底まで丹念に狙う釣り方が良いと思います。

□満潮時の水深が4.5~6mの堤防の場合、全ての水深で黒鯛がヒットする可能性があります。
但し、満潮~下げ7分程度の潮位の場合、全ての水深を一回一回落していると大変効率が悪いので、まずはタナ釣りで狙い、アタリがないようであれば全ての水深を探る釣り方をします。

□満潮時の水深が6m以上の堤防の場合、表層から中層で黒鯛のアタリ多いように感じます。この様な堤防では、まずはタナ釣りで狙い、アタリがない様であれば底まで探り、それでもアタリがないようであれば再びタナ狙いに戻します。

□満潮時の水深が8m以上の堤防の場合、表層で黒鯛のアタリ多いように感じます。この様な堤防では、まずはタナ釣りで狙い、アタリがない様であれば中層から底まで探り、それでもアタリがないようであれば再びタナ狙いに戻します。


参考:水深のある堤防では、なぜ表層から中層でのアタリが多いのか?

黒鯛はカラスガイがビッシリ付着している場所がお気に入りのようで、ゴハンとなる甲殻類が高確率で捕食できるからだと思います。

       

カラスガイの層は、表層から中層にかけて大量に付着する性質があるようで、カラスガイの層の上側から水深4m前後までは付着状態が良いのですが、4mを超える水深になると突然付着量が減ります。

この事から、水深のある堤防ではカラスガイが大量に付着ている表層付近が釣れる可能性の高いポイントとなります。