【短竿特有のアワセについて】

 このページでは短竿を使った場合のアワセについて説明します。
 堤防で他の釣り人を見ていると、
 落し込み釣りの基本動作以外のアワセをしている方がいらっしゃいますので、この機会に覚えちゃいましょう。



【目次】
1、基本動作
 ⇒ケロロ軍曹のイメージトレーニング講座
 ⇒魚がヒットした時の感触
 ⇒スッポヌケか根ガカリかの判断
2.お勧めできないアワセ方
3.2段アワセ・3段アワセ
4.落し込み釣り偏 長竿を使ったアワセについて




1、基本動作
 アワセの基本は下図の通りです。

 最高のアワセは、竿を上方向へ持ち上げ、
 ハリスが切れる手前の重さを感じる場所で竿を止めます。

 この時注意しなければならないことは、竿を上げる角度です。
 素早く20〜40cm持ち上げて腕を止めることが重要です。

 持ち上げる高さは竿の硬さにより変わりますが、一般的なカーボンロッドの場合30〜50cmぐらいの幅だと思います。
 但し、全体的に柔らかい竿や竹竿の場合は50cm以上持ち上げる必要があります。


   
  

□基本動作
 釣り開始⇒ 何度か仕掛けを海中に落すが無反応⇒ 突然ライン(ミチイト)が沈まなくなった⇒
 優しく聞きあわせをし、魚か、風や波の影響か、根ガカリか、見間違いかを確認⇒ 竿に重さが乗ったらアワセ!


■ケロロ軍曹のイメージトレーニング講座

「生徒の皆さん、アワセについての説明をしますので、目を閉じて私の話を頭の中でイメージするであります」
「軍曹さ〜ん、目を閉じたら文章が読めないです〜」
「おや失礼、ホームページじゃあ、我輩の声が聞こえないでありますな〜」
「ク〜クックック〜 バカいってね〜で、早くはじめろよ〜」

「チェッ、冗談を言って生徒の気持ちを高めるテクニックだったのに〜」
    「しかたがない、はじめるであります」

□落し込み釣りスタート
 
□何度かエサを落としている最中、ラインがフワリとフケた感じがした。
重要:あらかじめ、怪しいアタリがあったら考えることなく手を動かすよう脳に命令しておく)
 
□「オカシイ!」 と思った瞬間、、ケロロの右手が勝手に動く。
(オッ)
 
(お主、反射神経、抜群でござるな〜)
 
□即効で聞きアワセを行い、竿を優しく10〜20cmぐらい持ち上げた。
(もしや)
 
□竿に重さが乗った。
(もしや やったのか)
 
□ここで、アワセを行う。
(ウリャ〜)
 (アワセ=この状態から更に竿を20〜50cm持ち上げ、竿にグッと重さを乗せ腕を止める)
 
□「あれ? 動かない。 な〜んだ、根ガカリか!」と思う。  注意:この後の軍曹のコメントに秘密が?
(ゲロゲロ チェッ、ぺコポンヒットとはね〜) ペコポン=地球 根ガカリのことである
 
(諦めるには早いんだな〜、ここから秘伝奥義、動き出せ作戦開始であります)
 
(ゲロゲロ・・・動け!動け!ゲロゲロ・・・)
 
□半分諦めかけた瞬間、なんと、ペコポン(根ガカリ)が動き出した。 ノソノソノソ
(オ〜、ツ 予想通り動き出したであります♪)
 
□「ヤッター 黒鯛だ」(やりましたね、軍曹さ〜ん すごいです〜)
 (ヤッパ、我輩は天才でありますな〜)
□この瞬間、ケロロ軍曹の心臓はドキドキ、黒鯛との格闘がはじまった! (かっこいいです〜)

「え〜、黒鯛がヒットするまでのイメージは、できたでありますか?」
「拙者、疑問があるのでござるが、何でペコポン(根ガカリ)が黒鯛に変身したのでありますか」
 ↓
「え〜とですね〜、秘伝とされている奥義に関わる部分なんで・・・」
 ↓  「え〜秘密なのであります」
「ウヒェ〜、なんと残酷な・・・」
 ↓
「軍曹、そんないじわるなこと言わないで教えてよ〜」
 ↓
「冬樹殿にそう言われてもね〜 秘伝だから・・・」
 ↓
「ボケガエル! アンタまた悪さしてんでしょ!」
 ↓
「ゲロ 夏美殿・・・も勉強会に来てたでありますか〜」
 ↓
「教えてくれないと、一週間食事抜きよ」
 ↓
「チェッ! 国家権力を盾に使ってきたか」
 ↓
「おい、じらしてね〜で、早くいっちまえよ! ク〜クックック〜」
 ↓
「しょうがないな〜 夏美殿、そのかわり今晩のおかず一品増やしてくれます」
 ↓
「わかったわ、サービスしてあげる。 そのかわり正直に話しなさいよ」
 ↓
「ハァ〜、おかず一品で秘伝の技を売り渡すとは情けない」
 ↓
「まずはですね〜、秘伝の技について話す前に、黒鯛の習性について学ぶ必要がありますな〜」
 ↓ 「黒鯛とゆう魚は、ヒットした瞬間、岩のように動かないやつが多いのでありますよ〜」
 ↓ 「で、黒鯛のサイズが大きくなればなるほど、ヒットした後はノソノソしているのあります」
「それはホントなのか? その情報、どこで仕入れた」
 ↓
無視
 ↓
「だからですね〜聞きアワセでペコポン(地球)に引っかかったと思っても、黒鯛の可能性があるって事です」
 「なので、竿に伝わる手ごたえで、ペコポンなのか黒鯛なのかの判断ができるまでは、ラインを緩めたり、竿をビシビシとあおってはいけないのでありますよ〜」
 ↓
「それでですね〜、この釣りに慣れていない方は、ペコポンか黒鯛かの判断をする前にダメだと諦めちゃうんだな〜これが・・・」
 「これはペコポンで間違いないってね」
 「で、竿を上下にビシビシとあおって、ハリを外そうとするのですよ」
 「でね、運ががいいと、ペコポンが動き出すんですよね〜」
 「で、慌てながら黒鯛だったことに気づくのであります」
 ↓
「笑っちゃうでありますな〜」
 「この時たまたま黒鯛に掛かったハリが外れなかったから良いけど、不必要に竿をあおってハリが外れでもしたら大損でありますな〜」
 「なので、アワセをした後、最低4秒は竿に重みが乗った状態で待たなければいけないのであります」
 「これが秘伝の奥義でありますよ!」
 ↓
「軍曹、それのどこが秘伝なの」
 ↓
 「そんな事、黒鯛の習性についての知識がありゃ〜誰だって実践できるじゃね〜か」
 ↓  「だまそっうったって、俺様はだまされね〜ぜ」
「ホントにそれだけか? まだ隠している事があるのではないのか」
 ↓
「汗・・・うひゃ、みんな良く気付いたでありますな〜」
 ↓ 「実はですね〜、その奥義とは『おまじない』なのでありますよ 汗・・・」
「おまじないですか〜ぁ」
 ↓
「そう、おまじないなのであります」
 ↓ 「そのおまじないは、声に出して言ってもいいし、頭の中で唱えてもいいのですよ」
「軍曹さん、ぼくにもおまじまい教えてくださいです〜」
 ↓
「しかたないでありますな〜」
 ↓ 「おまじないの言葉とは、『ゲロゲロ・・・動け!動け!ゲロゲロ・・・』を繰り返すことであります」
 ↓
「お前正気か? そんな単純な言葉がおまじないのはずないだろう!」
 「それに、『動け!』なんていいながら祈っても、常識的に考えて、動くはずないだろう!」
 「俺達をだましているな! 正直に言え 正直に!」軍曹さ〜ん、いじわるです〜ぅ
 ↓
「まあまあ、みんな落ち着いて!」
 ↓
 「今、ウンコのターチャンに聞いたら、間違いねぇらしいぜ! ク〜クックック」
 ↓
「ウンコのターチャンって誰よ!」
 ↓
「あれ、知らなかったのかい。 福の神丸のタヌキ船頭のことだよ!」
 ↓
「で、ホントに間違いないのだな!」
 ↓
「我輩がウソをつくはず、ないじゃん」
 ↓
 全員、一番のウソをつくのは軍曹だといった感じの表情と冷たい目線を送る。チャンチャン
 ↓
END

「もう一度、はじめから説明するのでチャント聞いてくださいね!」

ラインに違和感聞きアワセを実行竿に重みが乗るアワセをする竿に重みが乗る
黒鯛なのかペコポンなのかを判断する為、竿に重みを乗せた状態で4秒以上待つ
この間、秘伝のおまじない『ゲロゲロ・・・動け!動け!ゲロゲロ・・・』と繰り返し唱える
日頃から海の神様を信じている方には黒鯛がヒットし、ノソノソと動き出す手ごたえが竿に伝わる
しかし、信仰心のな方はペコポンしかヒットしないのであるEND
てゆうか〜半信半疑 それとも、一発逆転
ハァ〜、ハッハッハァ・・・・船長、すいません、すいません、すいません・・・



「軍曹さん、ケロロ隊員の皆様、ありがとうございました」
 「どうですか、イメージが伝わりましたでしょうか?」

 そうそう、アワセの後、竿に重みを乗せている時間は4秒以上としていますが、5〜7秒ぐらい待っている方もいます。

 それぐらい粘る価値のある行動だと言うことです。
 慣れてくれば3秒ぐらいで判断ができますが、油断はしないほうが良いですよ!

 皆さんの周りには、「動け!動け!」なんて叫んでいる方は少ないかもしれませんが、私の釣り仲間は叫ぶ方が多いです。
 それに、当船に乗船されるお客さまも騒ぐ方が多いです。
 まあ、秘伝の奥義ですからね!
 でも、ケロロ軍曹のアニメを知らない方にとっては、この文章どう思うのだろう?


□参考:釣り自慢
 釣仲間から、過去面白い釣りをした時の自慢話を聞いている時、落し込み師は面白い行動を取ります。

 それは、黒鯛のアタリがあり、ヒットさせた瞬間の話をしている際、その話と同時に短竿特有のアワセをするのです。

 例えは、「○○ポイントの手前の場所でさ〜、丁度釣り人がいなくなったので、例のあの場所に仕掛けを落したらラインがピンと動いてさ〜、グッとアワセせたら53cmの黒鯛だったよ! あの場所で長々粘っていた釣り師はそれを見てうなだれていた。アハハ・・・、ターちゃんも知ってる通り、あの場所は少し右側方向から狙ったほうが良いんだよね〜」

 なんて言う長い会話の途中の、「グッとアワセせたら」の所で腕が動くのです。
 それもちゃんと、20〜40cm持ち上げて腕を止めるんです。
 笑っちゃうでしょ!
 でもこれが短竿の基本動作だから、会話の中でも基本動作をしちゃうんですよね!
    

 そうそう、この話とは別に、アワセの後、竿に重みを乗せている状態で色々なことがわかるので、この機会に説明しちゃいましょう。
    
 下の項目でどうぞ!


■魚がヒットした時の感触
 グッと竿に重さを乗せた時の黒鯛の行動は、水中で小さな8の字を描きながらゆっくり泳いでいるような感触が伝わります。
 また、全く動かない魚は、水中でも全く動かずその場で2〜5秒静止しています。


□8の字の不思議
 実際には8の字状態に動いているのではなく、頭を左右に振りながら短い距離を泳ぐ行動を取っています。

 水中に見える黒鯛の姿から想像すると、逃げる方向を探しているように感じ、
 右方向へ5〜10cm泳いだら、左方向へ5〜10cm泳ぎ、再度右方向へ5〜10cm泳ぐような行動を取ります。
 この感触が、8の字を描いているように感じます。

 表現を変えると、
 「あれ? どっちへ逃げよう? アッチが安全かな? いや、こっちかな?」
 「あれ? 僕はどうなったんだ? アレ? 口に何か引っかかった! アレアレ?」
 って感じです。

魚のサイズが35〜43cmの場合は、その動き方が早く感じます。
魚のサイズが44〜47cmの場合は、その動きがゆっくり目になります。
魚のサイズが48〜55cmの場合は、その動きが超ゆっくりになります。

 もちろん、全てがこの様な感じになるわけではありません。
 ヒットした瞬間、「これは40cmぐらいだな〜?」と思っていたら50cmだったことは良くあるし、「これは50UPに違いない」と思っていたら43cmだった事も良くあります。
   


□全く動かない魚の行動
 ヒットした瞬間、全く動かない魚は、水中でも全く動かずその場でボーっと2〜5秒静止しています。

動かない魚の行動は2通り
潮の流れに負けないよう、その場で泳ぎながら、ラインを引っ張られる状態に負けないよう耐えるケース
潮の流れに乗り、潮下へゆっくり流れて行くケース


□ヒットした瞬間全く動かない黒鯛が、逃げはじめる時の行動 (水中で逃げ回る黒鯛を目視した結果)

 人間と黒鯛との対決は、命をかけた壮絶な戦いとなります。(まあ、黒鯛側にとっては当たり前(^_^)

 人間側はラインを強く引っ張り、竿の角度を変え、黒鯛の頭を自分の思い描く方向へ誘導しようと心がける。
 しかし黒鯛は人間がラインを通して引っ張る方向には顔を向けない。

 で、黒鯛は絶対負けまいと水中で耐える。
 もちろん、人間が引っ張る方向に超ゆっくりと頭を向ける黒鯛もいるが、その場からなかなか離れない。

 動かない状態の黒鯛は水中で軽くヒレを動かしているが急いで逃げる(泳ぐ)気配は見せない。
 動かない理由は定かでありませんが、人間側は黒鯛の姿を横向きで見ているスタイルなので、海水の抵抗を利用し動かないようにしているのかも知れません。
     

 で、頭をこちらに向けることができれば人間の勝利は目の前なのですが、黒鯛は頑張ります。
 人間は、更に黒鯛をコチラへ誘導しようと力を入れラインを引っ張ぱります。

 なんと、この瞬間、黒鯛と目が合うんです。 それも海水のニゴリが薄い時は比較的良く目が合うのです。

 その瞬間、黒鯛の視線から「絶対負けない」と言う気持ちが伝わってくるんですよね〜。
 いや〜ホントに!

 そして、目があった瞬間、黒鯛は自分の置かれた立場を理解し、脱げる次なる一手を考えます。
 で、障害物に向かって突然走り出します。(勢いよく泳ぎだす)

 この段階でラインがダーっと出されます。
 ブレーキを掛けながらラインを出しますが、2〜3mほど出して止まるケースもあれば、一気に5m以上出される事もあります。

 ちなみに、黒鯛がヒットした後、次の逃げる行動に移るまでの時間(ボ〜っと考えている時間)は、
 2〜7秒、「いや〜8秒かな〜?」と考えるくらい魚によって時間の差があります。

 人間側は、黒鯛が迷っている2〜8秒の間に、自分がリードすることができれば勝利は目前です。
 リードするとは、黒鯛の頭(顔)を自分の方向へ向けることです。

 逆に黒鯛をリードできないと、勢い良く障害物や沈み根方向へ走られます。
 一度走り始めると、そう簡単には走りを止める事ができません。


 一般の堤防であれば人間が勝利するか可能性は高いのですが、複雑な障害物がある場所では勝利する可能性は50%程度に減少します。
 そう、この後、どのような展開になるかわらなくなるのです。

 ちなみに、当船に乗船される常連のお客さまは『見える黒鯛との格闘』をしているので、ここに記載した文章のイメージはわかるはずです。
 黒鯛と目が合うことも・・・。

 以上、話が長くなりましたが、このページで知ってもらいたい事は、ヒットした瞬間の黒鯛の行動です。
 『ノソノソ動く行動』、『岩のように全く動かない行動』、いずれもヒットした瞬間の黒鯛の行動です。

□結論
 岩のように動かない魚がいるので、アワセの後、4秒以上は魚か根ガカリかの判断をする事。
 その際、秘伝の奥義を実行し、頭の中で「動け・動け」とササヤク。(~o~)b
 なので、根ガカリは最大のチャンスと考え最善の行動を取りましょう。

□参考
 なせ動かないのかについては、良くわかりませんが、
 エサを捕食した瞬間、全体の90%の魚は静止状態となっていることが動かない要因だと思います。
 もちろん、私の想像ですがね!

■スッポヌケか根ガカリかの判断
 グッと竿に重さを乗せた時、ハリが外れることがあります。
 このハリが抜ける現象をスッポヌケと言います。

 この時、それが魚だったのか、根ガカリだったのか判断するには経験が必要となります。
 しかし、経験以外でも、ラインの動きや竿に感じる重さや感触で、その切り分けが可能となります。


□行動 その1
 竿に重さを乗せた瞬間、水面に近い部分のラインを目視します。

 すると、超ゆっくり左右どちらかに動いている場合があります。
 この時、竿に動いている感触は殆ど伝わりません。

 1〜3秒動いた後にスッポヌケするのであれば、魚であった確証となります。
 しかし、1秒未満の時にはこの私でも判断できません。

 この方法での判断を完璧にこなすには、竿に重さを乗せた瞬間、水面付近のラインを目視するクセを付けましょう。

□行動 その2
 竿に重さを乗せた瞬間、重い物体がほんの少し浮いてくるような感触が竿(腕)に伝わります。

 イメージとしては、1〜2cm浮き上がる感触です。

 2〜3秒後にスッポヌケするのであれば、魚である可能性が高くなります。
 しかし2秒未満の時には、「多分、黒鯛」と言った感じで『多分』が付くのは仕方がないことです。


 この感触の発生頻度は意外と多く、魚か根ガカリかを判断するのにとても役立ちます。
 但し、海中に沈む大きなゴミ(カキやカラス貝の塊)の場合もありますので、魚と断定するには無理があります。

 また、使用する竿の硬さにより迷いが生じます。
 私は普段、9対1調子の超先調子の竿をこよなく愛し使用しています。

 しかし、たまに8対2調子とか7対3調子の竿を使うと、竿に重さが乗ってから更に竿が曲がる事から、この微妙な浮き上がる感触が理解できないことがあります。

 特に長竿を使った場合は判断に迷います。
 まあ、最終的には普段使用している竿に対する慣れですがね!

□野生の勘 その1
 1〜2秒でスッポヌケした時、魚か根ガカリかの判断で悩みます。
 
 私の経験から、竿に重さが乗ってからスッポヌケするまでの間に、これは「黒鯛だな」と確証する事ができるケースが多々あります。

 その時、竿(腕)に伝わる感覚は、
 ヒットした物体が1cmほど浮き、一瞬、左右どちらかに2cmぐらい動くきます。
 こんな微妙な変化ですが竿(腕)を通して伝わります。

 但し、この感覚を知るのは竿の硬さがキモとなります。
 下図が、昔の東京湾の各堤防ので好まれた調子です。

 私の好む竿の調子は9対1の鶴見調子です。
 図を見てもらえればわかると思いますが、さお先部分が曲がるだけです。
 で、胴の部分は少しだけ緩いカーブを描きます。

 この竿の特徴は、アワセた瞬間、スグにラインがピーンと貼り、竿が急激に止まります。
 この竿がスグ止まることが重要です。

 スグ止まるので、その瞬間に感じる魚の行動を感じることができます。
 まあ、どの調子の竿でも慣れで、どうにでもなると思いますけど・・・。

   

□野生の勘 その2
 底釣りにおけるヒットパターンの違いについて(私の体験)

 私が落し込みで体験した底でのヒット率は、『地底(海底)でヒットした』ではなく、『海底周辺でヒットした』だったのです。
 もちろん、完全な海底でヒットした事もあります。

 そして、落し込み釣り(ヘチ釣り)で釣れる黒鯛のヒット率を水深毎に集計してみたのです。
 水深3〜4mの堤防と考えてください。

 最もヒット率が高いのが海底より10cm前後上側
 ⇒次が20cm前後上側
 ⇒次が30cm前後上側
 ⇒次が40cm前後上側
 ⇒次が50cm前後上側
 ⇒次が水面から1〜2mの間
 ⇒次が海底(ベタ底)
  

   

 以上のように、私が体験した底でのヒット率は、『海底(ベタ底)でヒットした』ではなく、『海底周辺でヒットした』だったのです。

 もちろん、水中に沈み根や堤防の段差のようなものが海底にある場所ではこのデーターが狂ってきます。
 ちなみに、ヒットする水深に関し統一性がない理由は、エサの発見から到着するまでの時間が関係していると思われます。

 もちろん、海底の様子は目視することができないので私の推測です。
 しかし、水面付近で見える黒鯛の行動を見ていると、エサに気付いた瞬間、エサに向かって泳ぎ出しますので、発見したタイミングで浅い水深でアタリがあったり、深い水深でアタリがあったりします。

 ちなみに、エサに向かって泳ぐ時のスピードは一定ではなく、勢い良く泳ぎだす場合もあれば、スーっとヤヤゆっくり目に泳ぐこともありますので、不自然な落ち方をするエサに対し警戒心を抱いているかいないかで泳ぐスピードが変わるように感じます。


 この集計結果から考えると、どの水深で黒鯛がヒットするか全くわからないとの事です。
 ただ底周辺でのヒット率が異常なくらい高いとの結果になるので、水深の浅い堤防では底周辺でのヒット率が高いと良く言われています。

 この事から、エサが底に到着する前にラインに違和感を感じ聞きアワセをした際、
 1〜2秒間竿に重さが乗ってからスッポヌケした場合は、黒鯛の可能性が高いとの結論になります。



□昔何度か釣り人に聞かれたのです。

釣り人:「どの水深で釣れたのですか?」
タムラ:「底です。 正確に言うと底から30cm上です!」

釣り人: 「黒鯛は、海底に落ちたエサを吸い込んで捕食するのではないのか?」
 「そう感じていたから、底にエサを置く釣りをしている」

タムラ:「確かに、このヒットする場所の問題で釣り人を悩ませるんですよね〜」

 「海底(ベタ底)にエサを置く釣り方でも釣れるし、落し込み釣りの様に、エサを水面から落した場合も釣れる」
 「どちらが良いかはわかりません」

 「でも、師匠から教えてもらった落とし込み釣りは、堤防全体の水面から海底までの間を全て探る釣り方です」
 「どの水深で黒鯛がヒットするかわかりませんので、私は水面から海底までの間を全て探ります」

 「それと、黒鯛は上から落ちてくるエサに興味があるようで、そのエサを好んで捕食する習性があるようです」

 「まあ、どちらが良い釣り方とは言えませんが、黒鯛の釣果では滅多に負けませんので、その事からも水面から地底まで探るスタイルの方が効率が良いと思います」と言うような事を答える。

 こんな感じで、釣り方や狙い方について色々聞かれたことは多いです。
 おっと、余計な話が多くなってしまった。


□最後のまとめ
 で、聞きアワセした時、海底より上で『止まるアタリ』が出た場合は、黒鯛の可能性が高いということです。
 この件と、上に述べた判断材料を混ぜ合わせ、黒鯛が根ガカリかの判断を行います。
 はぁ〜、長い説明が終わった。(~o~)





2.お勧めできないアワセ方

 アワセの際、下図のように竿を60cm以上ビジッと上げると、ハリの結び目やヨリモドシの結び目から切れる危険性がありますので注意しましょう。

 但し、竿の調子が柔らかい場合は、ハリスが切れる寸前の重さがどのぐらいか、前もって覚えておく必要があります。
 尚、竹竿を使われている方は、この様な強烈なアワセはまずいので、お好きなようにどうぞ!

     


 一般的な釣りの場合、竿先を頭の上の方まで上げてビシっとアワセるようなイメージがありますが、短竿の場合は、竿が短く胴の部分がしっかりしたものが多いので、20〜40cm持ち上げて腕を止めるアワセとなります。

 このチョット変わったアワセ方が基本となりますので、落とし込み釣りをされる方は必ず実践する必要があります。




3.2段アワセ・3段アワセ
 黒鯛釣りにおいて、最もショッキングな出来事はヤリトリの最中に発生するハリ外れだと思います。

 この対策の為、昔から色々とやってきましたが、どれもこれも特別良い効果は得られませんでした。

 但し、ハリの種類の関係と竿の硬さでハリ外れの発生率が変わることがわかっています。
 この件に関する詳細は、【魚を掛けた後のハリ外れやスッポヌケをいかに減らすか】にてご確認ください。

 このページでは釣り仲間のYOSIさんと角田さんが好きな『2段アワセ・3段アワセ』についてご説明しましょう。

 この2段アワセ・3段アワセは、ヤリトリの最中に更にアワセを入れる方法です。(追いアワセとも言う)
 で、「効果があるのか?」と二人に聞いた結果が下記の通りです。

 「外れる時は何をやっても外れる」
 「追加のアワセは、ヤリトリの最中に何回やってもキャッチ率に影響は出ない」
 「普通は初回に行ったアワセだけで十分」
 との事。

タ:「じゃ〜なんで追加アワセをやるの?」
Y:「ただの気分だよ! やってもやらなくても一緒なら、やった方がキャッチ率がUPするかもしれないじゃん」

タ:「俺は、返ってハリ外れが増えるように感じるけどな〜」
Y:「まあ、釣り師の拘りってやつだね!」

 てな感じです。
 昔、釣り船の仕事を始める前には、YOSIさんと角田さんが仕事の手伝いと称し、釣りに来てくれました。
 その際も、追加アワセをするシーンを何度となく見ていましたが、あまり効果があるようには感じませんでした。
 チャンチャン!




4.落し込み釣り偏 長竿を使ったアワセについて
 魚の重みが乗るまでグット竿を立てる。
 まあ、これが一般的。

 但し、テトラでの釣りの場合は特殊なアワセ方が効果的です。
 詳細については、【テトラの落し込み釣り】の項目にてご確認ください。


   エサを、いかに自然なスピードで落すか】UPまだですぅ!


  素材協力 ユニバーサルエンターテインメント
 素材協力 SANKYO